「あ…出口…………だ………」
入り口を抜けるとそこには、
人が倒れていた。
え、え、これどうするべき!?
「あ、あのー……」
呼びかけてみる。
が、へんじはない。
「…どうしようか…」
そう呟いたときだった。
「すぴー……もう…食べられないや…」
……心配して損した。
こい…ごほん、この子、寝てるだけだ。
すやすやと、髪を風になびかせながら寝ている姿は
「……エルフーンみたい…」
今回のメンバーにはいないエルフーンを思い出す。
11個目、つまり最後のバッジ(ほんとは8個で四天王に挑めるけど、ジムリーダー全員に挑まなきゃ納得いかなかった)の時は、お世話になったエルフーン。(相手が水タイプだったから)
いつもはとても大人しいけどピンチの時は私を支えてくれたエルフーン。
ああ、あいたいなあ…
そう思った時だった。
寝ている彼の体のしたからうめき声が聞こえた。
そこにいたのは…
「え、え、エルフーン!!?」
「んあ……?」
私の叫び声に目を覚ましたのか、寝ていた人が間抜けな声を出してゆっくりと目を開けた。
「んあ?じゃないよ!エルフーン困ってるじゃない!」
「えー…あー…ごめんねえるじろー…」
えるじろーはエルフーンのニックネームだろうか。
それはともかく気にするな、とでも言うようににこ、と笑うエルフーン。
「ところで君、初めてみるねー…どこからきたの〜?」
「あ、っと…イッシュ地方っていうところです…」
「へー…知らないやー………あれ!?君もしかして、ポケモン持ってるの!?」
「え、あ、はい」
「じゃあ勝負しようよ!!俺はまずえるじろーね!」
「え、え!?えっと…モ、モシ!」
パートナーの名を呼ぶと、綺麗な鳴き声を響かせてボールから出てきた。
…新しい地方に来て初の、ポケモン勝負が始まった。
*
というわけでジローちゃん出現です!