「……」
ごくりっ、と息を呑む。
ここは、セイガクジム前。
リベンジを果たすためにここに来た。
「……震えているの?」
後ろにいる精市からの声に思わずビクッとした。
「そ、そんなことないよ。……いくよ」
すうっと、息を吸い私は中へと足を踏み入れた。
「すみません……」
「誰だ」
「!あっ手塚さん……ハユリです」
「ああ。再挑戦しにきたのか?悪いけどそういう気分では……」
「へぇ、逃げるのかい?」
「!!!」
一瞬だけ手塚さんは精市を睨んだ。と思ったらこっちを見た。
「……わかった。では再戦を受け入れる。挑戦者はこちらへ!」
「はい!」
私はゆっくりと、足を進めていった。
*
「審判は僕、不二周助がやるよ。挑戦者さんははじめまして、かな?」
「はい!!ハユリっていいます!」
「……にしても、久しぶりな人もいるんだね」
そう言って不二さんは精市を見た。
「……俺のことはほっといてくれて構わないから。ただ客としてみるだけさ。ハユリと手塚の試合をね」
「ふぅん……わかったよ」
……手塚さんといい、不二さんといい、サエといい……精市は面識ある人が多いなぁ。
「バトルルールの説明をしよう。試合形式はシングルバトル。今回は使用ポケモンは二体とする。ではいくぞ、ゆけ!ゴローニャ!!」
「出てきて!!しぃ!」
試合、開始!!