「…ぶぃ?」

ハユリがそうやってつぶやくと、イーブイはぶいっ!とないて、ハユリに駆け寄った。

「ぶぃ?ほんとにぶぃなの?」

「えっと…知っているのかいそのイーブイ」

状況が把握できず、ハユリに尋ねる。

「…うん、私のポケモン。イッシュ地方においてきた…」

イーブイを抱き上げてハユリが答える。

「イッシュでの冒険では仲間になってからずっと一緒なの」

でもどうしてここに、そう言って呟くハユリをちらりと見てから、イーブイを見る。
…首になにかついてる…?

「ハユリこのイーブイ首になにかついてる」

「え…?私なんもこの子につけてないのに」

そう言ってハユリはイーブイの首の毛を掻き分ける。
何かの正体は巾着袋が付いている首飾りのようなものだった。

「…手紙、と…進化の石…」

そう呟いたハユリは手紙だけ取り出し、進化の石は巾着袋に入れたままイーブイの首から外し、自分の腰につけた。



「…はあ、うん状況はだいたい理解できた。もう、ぶぃはわがままなんだから…」

そう言ってため息をつきイーブイをなでるハユリ。

「えっと…もしよかったら俺にもわかるように説明してくれないかい?」

苦笑いを浮かべると、ハユリははっとして説明しだした。

「あ、この手紙はアララギ博士っていうイッシュ地方のポケモン博士からだった。…このイーブイはワケアリでアララギ博士にあずけてたの」

すりよるイーブイにふっと笑みを浮かべるハユリ。
そこからハユリがどれほどこのイーブイを大事にしているかが伺える。

「なんだけど、このイーブイがわがまま言い出したらしくてね、というか、暴れだしたらしくてね。仕方がないから、ってここに通じる洞窟まで連れてったらしいの。そしたら番人が現れて、事情を話したらこの子をそのトレーナーの場所まで連れてくるって言ったらしいのよ。で、今に至るらしい」

…番人ってことは、柳生か。
そう思い、上を見上げると柳生のヨルノズクが飛んでいた。
柳生自身は番人の仕事で離れられないからたのんだ、といったところだろう。

「…まあ、これからもぶぃも一緒だね!よろしく、ぶぃ」

そうハユリが言うと、イーブイは元気な声で返事をした。











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