「やあ」

そう言って幸村が微笑むと、幸村に微笑えまれた男はびくっとして幸村を見る。

「…久しいな」

「ふふ、そうだね。ジムリーダーの会合のときぶりだから……3、4ヶ月ぶりじゃない?」

「ああ…」

「そんな強ばらなくてもいいのに」

「ははっ…冗談はよしてくれよ。この状態で強ばるな、という方が無理な話じゃないか?」

そう、今幸村は自分のポケモンを使って相手が動けないようにしているのである。
その男はごくり、と息を飲み、口を開いた。

「俺は自分自身がなんでこういう目にあっているのかがわからないな。」

「ふふ…そんなこと言ってなんでかわかっているんだろ?」

そう言ってすっと目を細める幸村。

「君はどうしてここにいるんだい?…佐伯」

そう言われた佐伯は冷や汗を流して、答える。

「逆になんで俺がここにいちゃダメなんだい?」

「今は俺が君に質問しているんだよ。それとも、答える気ないのかい?」

「…答える気がないって言ったらまたポケモンに俺を苦しめるよう指示するんだろ?」

「ふふ」

笑みを浮かべるだけの幸村に、佐伯は小さく息を吐いた。

「…わかった、降参だ。ちょっと探しててね、人を」

「人?だったら、わざわざ君が探さなくても、」

「ああ、特定の人を探しているわけじゃないんだ。そして、ぴったしの人をさっき見つけたよ」

「…ハユリかい?」

「ああ、ハユリちゃんっていうのか」

そう佐伯が言うと幸村は不機嫌そうな顔をする。

「はは、そんな顔をしなくても。…まあ、まだ確定じゃないさ。もう少し様子を見てみる」

「……あっそ。セイレン、もうといていい。聞きたいこと聞いたし俺はもう行くよ」

「ああ。…幸村!」

「…何だい?」

「お前は何をしようとしているんだ?もしかして、とんでもないことをしでかそうとしているんじゃないのか?」

「…知りたいのかい?たとえ、自分がそれで死ぬのだとしても」

そういう幸村は再び冷たい笑みを浮かべている。
それを見て佐伯は自分の目の前の男は冗談で言っているわけではない、と悟った。

「…遠慮しておくよ。」

「ふふっ…それと、ハユリの前では幸村って、…呼ぶなよ?」

じゃあね、と言って、幸村は佐伯から離れていった。




なんか幸村さんが悪者っぽい←









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