「ごめんね、精市」
「こっちこそ…」
そういうと、沈黙が流れる。
その沈黙に耐えられなかったのは、ハユリの方だった。
「あ、あのさ!セイガクシティ、いこ?」
「…そうだね」
そして俺たちはセイガクシティに向かう。
最初はギクシャクしていたものの、バカのシェイミのおかげで、気づけば普通にはなしていた。
*
「着いたよ。ここがセイガクシティだ」
そういえばぱあああっと顔を明るくさせ、きょろきょろとあたりを見渡すハユリ。
そんな彼女に俺は微笑みつつ、視界の端に捉えたものを見逃さなかった。
何故あいつがあんなところに…?
自分の仕事はどうしたんだ?
「いち、精市!」
ハユリの声にハッとする。
「ふん、なにぼけっとしてるんでしゅか?」
「は?お前誰にそんな口きいてんの?あそこの火山にぶち込もうか?」
「ふえええええええ!!!!」
「しぇ、シェイミおちつこ?ね?ほら!精市も!」
「…そうだね」
なんでシェイミはこんなに生意気になったのだろうか。
大きくため息をつき、俺は目の前の火山を見つめる。
そう、ここ、セイガクシティは火山の近くに位置するのだ。
まあ、ここをチョイスしたのはここのジムリーダーらしいと思うけど。
「ハユリ、いつジムに挑戦するんだい?」
「え?今日」
「……あ、そう…」
まさか今日って言われるとは
もう夕方の5時過ぎてるのに…
真面目というか、本当にポケモンが好きなんだなっていうか。
「このジムもサクッと終わらせるわ!」
そう言ってガッツポーズをとるハユリ。
…今回はそんなに簡単にいかないだろうな。
ハユリのポケモンの苦手タイプばかりだし。
そんなことを内心思いつつ俺はハユリに「頑張って」と微笑んだ。
*
やっとこさセイガクシティ編!ほんとに何話で終わるのか…