「ごめんね、精市」

「こっちこそ…」

そういうと、沈黙が流れる。
その沈黙に耐えられなかったのは、ハユリの方だった。

「あ、あのさ!セイガクシティ、いこ?」

「…そうだね」

そして俺たちはセイガクシティに向かう。
最初はギクシャクしていたものの、バカのシェイミのおかげで、気づけば普通にはなしていた。



「着いたよ。ここがセイガクシティだ」

そういえばぱあああっと顔を明るくさせ、きょろきょろとあたりを見渡すハユリ。

そんな彼女に俺は微笑みつつ、視界の端に捉えたものを見逃さなかった。

何故あいつがあんなところに…?
自分の仕事はどうしたんだ?


「いち、精市!」

ハユリの声にハッとする。

「ふん、なにぼけっとしてるんでしゅか?」

「は?お前誰にそんな口きいてんの?あそこの火山にぶち込もうか?」

「ふえええええええ!!!!」

「しぇ、シェイミおちつこ?ね?ほら!精市も!」

「…そうだね」

なんでシェイミはこんなに生意気になったのだろうか。
大きくため息をつき、俺は目の前の火山を見つめる。

そう、ここ、セイガクシティは火山の近くに位置するのだ。

まあ、ここをチョイスしたのはここのジムリーダーらしいと思うけど。

「ハユリ、いつジムに挑戦するんだい?」

「え?今日」

「……あ、そう…」

まさか今日って言われるとは
もう夕方の5時過ぎてるのに…

真面目というか、本当にポケモンが好きなんだなっていうか。

「このジムもサクッと終わらせるわ!」

そう言ってガッツポーズをとるハユリ。

…今回はそんなに簡単にいかないだろうな。
ハユリのポケモンの苦手タイプばかりだし。

そんなことを内心思いつつ俺はハユリに「頑張って」と微笑んだ。


やっとこさセイガクシティ編!ほんとに何話で終わるのか…








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