「モシ!!」
私の声に応えたのか、すこしふらつきながらもゆっくりと浮かび上がるモシ。
そして何事もなかったように、鳴いた。
ダメージなど受けなかったかのようにしているけれど、私は彼が一瞬、ほんの一瞬だけ表情を厳しくしたのを見逃さなかった。
そんなモシのためにも、このバトル、早く勝って終わらせなきゃ…!!
「モシ、相手に突っ込んで!!」
私の指示で相手へぐっと近づいていくモシ。
「ふっ…大胆やな、ハユリ。ロズエル、ウェザーボール!!」
ロズエルは、蔵之介くんの指示でウェザーボールを繰り出す。
「っ…エナジーボールで対抗して!!!」
ロズエルに突っ込みながら、エナジーボールを打つモシ。
二つの技は、互いにぶつかり合い、そして消滅した。
…大量の煙を発生させて。
「…何も見えない…!!」
「ロズエル!!」
…たとえ見えなくても、モシの姿を確認できなくても私は、モシがやってくれるって信じてる。
だから。
「モシ!!相手に近づいたらオーバーヒート!!」
「…!!ロズエル、ウェザーボールを連発や!!!」
私と蔵之介君が指示を出したかと思うと、大きな爆発と爆発音。
フィールドは更に煙に包まれる。
審判役の光くんもどうやら、フィールドの状態がわからないらしく、咳き込んでは「どうなったんや…」とつぶやいている。
観客席にまで煙は届き、金ちゃんまでもが咳き込んでいた。
「…何も見えない」
「俺もや…!!」
そして、5分後。
煙が晴れそこにいたのは、
戦闘不能になった
ロズエルとふよふよと浮いたままのモシだった。
「ロズレイド、戦闘不能!!シャンデラの勝ち!!」
「自分、結構やるな」
「モシのおかげだよ」
まずは、一勝。