「で?」
「ん?」
「ん?じゃないっすわ。人をここまで連れ出して」
「ああ…うん。まず君はハユリのことどう思うんだい?」
「…別にあんたに関係ないやろ、幸村さん」
「ふふ…そういうと思ったよ。」
「(めんどくさ…)そういや、さっきのは何なんすか」
「何が?」
「俺が『幸村さん』言おうとすると遮ってましたやん」
「ああ…うん。それだけど。彼女の前では俺の苗字、呼ばないでくれるかな?」
「……」
「理由は言わなくてもわかるだろう?」
にこ、と微笑む精市と反対に精市を睨みつける財前。
「…はあ…わかりましたよ…」
「ふふ…それと、きちんとやってるかい?うちの奴は」
「…今は、全員バラバラな行動っすわ。だから知りません」
「そうか…。そうだ、君はいずれ本気でハユリと戦うことになるよ。それが君の仕事だから」
「…それぐらいわかってます。でもその前に軽いフットワークのつもりで、さっき勝負の申し込みしようとしたら、あんたが邪魔してきた」
「だって、面白くなかったから」
「…ほんま、あんたってうちの先輩らとは別の意味で面倒やわ。ま、誰が狙っていようと俺は関係ないんで。んじゃ、失礼しますわ」
「はいはい。これからも頑張ってね、四天王の財前くん」
「…その名前で呼ばんといてください。縛られてる感覚がするんすわ」
「へえ…変わった捉え方するんだね」
「……」
ふ、と足を止めたが、振り向かずにそのままハユリたちの元へ行こうとする財前。
その背後では、幸村が不敵に笑っていた。
*
あんまり仲良くない設定。