「ふわあ……」
あのあと私たちは、シテンホウジタウンの宿に行った。
今はちょうどお風呂をでたところだ。
「ハユリ―!!!」
「シェイミ」
「ミーの体拭いてくださいでしゅ!」
そう言うシェイミはちゃっかりとタオルを口にくわえていた。
「ふふ…はいはい…」
苦笑しながらシェイミの体を拭く。
すると、後ろからくいくい、と引っ張られたような気がした。
そっちを向くと…
「……ブラッキー?」
そこにはブラッキーがいた。
「……もしかして、あなたも拭いて欲しいの?」
そう尋ねるとこくこくと頷くブラッキー。
「ふふ…こっちにおいで。はい、シェイミ終わったよ」
「えー!?」
「またしてあげるから。ブラッキー、おいで」
ブラッキーが嬉しそうによってきた。
そんな姿に微笑みながら、ブラッキーの体を拭き始める。(シェイミは隣でむすっとしていたが、すやすやと眠り始めてしまった)
「こんなところでなにやっとるんやブラック」
「!」
その声に、ばっと後ろを向けば、ピアスを5つした男の子が立っていた。
膝にいたブラッキーは彼にすりよった。
すると、彼は今まで無表情だったのに、僅かに唇を緩ませ、ブラッキーを抱き上げる。
「…もしかして、この人に拭いてもらっとったん?」
そう言うと、こくりとうなずくブラッキー。
「そうなんや…。おおきに。俺は財前光っていいます。こっちは相棒のブラックっすわ」
「あ、私はハユリです!えっと……」
「財前でも、光でもどっちでもええですわ」
「え…とじゃあ、光、で…」
「おん。」
こうして、私は1日で二人も仲良いトレーナーができたのだった。
*
財前くん!