「ふう…」
にしても、この地方の野生のポケモンは強い。
イッシュなんか比べ物にならないくらい。
だからこそ、捕まえたり、戦ったりするのがワクワクするのだけど。
にしても、ホントパソコンがこっちの地方にもあって助かった。
(そして、私のデータが入ってて助かった。じゃなかったら、みんなに会えなかった)
そんなことを考えながら、森を抜けると。
「わあ……!!」
花畑が一面に広がっていた。
そして、ぐうう…とお腹がなる。
時計を見ると針は、正午を指していた。
「…お昼にしよっか。モシ!しぃ!」
一緒に食べようと思い、ボールから2匹を出す。
…とともに、しぃが飛びついてきた
「え、ちょ、ストップ!!?」
危機一髪。
寸でのところでモシがとめてくれた。
「ふう…もう!しぃ、あなた自分の体重わかってるの!?」
そういうと、しゅんとするしぃ。
ふふ、可愛い。
「ありがとね、モシ」
そう言ってモシの頭をなでれば、うれしそうに鳴いた。
「さ、ご飯にしよっか」
「ミーにもなんかくれ」
「…ん?モシ、しぃ、何か言った?」
二匹に尋ねると、ふるふると首を横に振った。
「じゃあどこから…?」
「下でしゅ!下!」
したを見ると、
「…シェイミ?」
ちょこん、といたのはシェイミだった。
「そうでしゅ!で、何かほしいでしゅ!」
「え、うーん……ポケモンフード食べる?」
「そんなのいらないでしゅ!そんなものミーはたべない…ふええええ!?」
ムッとしてこっちを見たかと思えば、いきなり叫びだした。
「え、どうしたの!?」
そう尋ねると、シェイミではなく、モシとしぃが、ジェスチャーで教えてくれた。(でも、わかりにくい)
「……えっと、攻撃されたのかな?」
がんばって考えて絞り出した結果を尋ねると、どうやらあたっていたらしく、首を縦にふる2匹。
そんな2匹にお礼を言おうと思ったら、
「ふふ…勝手にどこにいったかと思ったら…人様にものをねだっちゃいけないって、言わなかったっけ?シェイミ」
肩にジャージ(かな?)を羽織った、男か女かわからない人がこっちにやってきた。
「う、う、うえ…せ、せーいち…」
青ざめた顔をするシェイミ。
「あれ、君は…」
ふ、とこっちを見て、せーいちと呼ばれた人は驚いた顔をした。
……うん、
この人誰?
*
というわけで、登場です。幸村さん。
ちなみにこの話では、魔王だったりそうじゃなかったり。