「やっと着いた…」
しぃたちと街を目指して、1時間。
ようやく着いた街は、のんびりしていて、古風なところだった。
「さて。これからどうしようかな…」
そういうと、さっきまで大人しかったえるるがおろおろしだした。
「お、落ち着いて?あなたたちがなんとかなるまでは一緒にいるから!ね?ね?」
そう言ってえるるをなだめた時だった。
「…えるる?」
低めの声が、背後からした。
後ろを向けば、そこには……
えっと…
うん、本人には悪いけど。
きのこ頭の、目つきが悪い和服の男の子が立っていた。
名前を呼ばれたえるるは嬉しそうにその人に駆け寄る。
「……はあ、また芥川先輩ねてるのか…どこの誰か知りませんがありがとうございます。あとはこっちで何とかするんで。では」
そう言って、きのこ頭の男の子は、ジローくんを担いで、えるるを連れてどこかへと行ってしまった。
ちなみにえるるは私にばいばい、と手を振ってくれた。
それに悶えたのは言うまでもない。
*
というわけで、8話。
きのこ頭は、日吉です。
言うまでもなく(笑)
ちなみに彼は、また出てきます。
たぶん後半になるだろうけど。