「ふふ、咲くまでの秘密♪それ、プレゼント!」
そう言って、帰っていったリンカ。
それから3日がたった。
どうしたのだろうか。
一瞬そう思ったが、彼女も中学生。しかも受験生。
忙しいのだろう、とあまり気にもとめなかった。
それから一週間。
つまり10日会ってないわけで。
さすがに何かあったのだろうか、と心配になってきた。
「…リンカに、なにかあったのかい?」
そう庭の花に尋ねるも、俺には、花の気持ちはわからない。
はあ、とため息をつき、彼女がくれた苗をみつめる。それはすくすくとのびていた。
「…日当たりがいいところに、おこうかな」
そうつぶやき、鉢を持ち上げた時だった。
「うわっ…」
柄にもなく、バランスを崩し、手が鉢から離れる。
あっ、と思ったときは時すでに遅し。
パリーーンッ!!
彼女がくれたそれは、大きな音を立て、割れた。
君が、消えた。
君がくれた鉢植えが割れた。
…リンカ、君は今、どこで何をしている?