「幸村くん、そこのお花が喉乾いてるって」

あの日から、彼女は毎日のようにやって来るようになった。
いちど、何故、毎日来るのか、尋ねたら、

『あのね、幸村くんのお花たちが、都会なのに
一番綺麗で、意志を持ってて輝いてるの。
それに動物たちにも人気の憩いスポットだって!』

そう、笑顔で答えた。

思えば、あのときから俺は、





彼女に恋をしたのかもしれない。


「…くん、ゆーきーむーらーくん!!!」

「え!!?」

「…どうしたの?ぼーっとして。」

「…なんでもないよ」

「…ほんとに?」

「うん」

「…あれ、どうしたの?」

「ん?」

「あ、幸村くんじゃなくて。なんか花たちが、クスクス笑ってるの。
…え?私…?あれ、でも幸村くんの話じゃあ…?」

「え、ちょ、ストップ!!」

大体、花が言おうとしたことはわかった。
なんで知っているかは置いといて、頼むから、彼女には言わないでくれっ!!

「…え」

「……え…」

…その反応…言ったのか…?

「…リンカ…?」

「…すごい」

「は?」

「すごい、幸村くん!一言で花たちをまとめるなんて!みんなに好かれているんだね!」

……どうやら、リンカは別のことに感激したらしい。
ほっとしていると、彼女が、不意に幸村くん、と俺の名前を呼んだ。

「どうしたんだい?」

「これ、あげる」

そう言って、渡してきたのは、芽がぴょこん、と出ている鉢植えだった。

「この花は…?」

「ふふ、咲くまでの秘密♪それ、プレゼント!」



花のような優しい笑顔を浮かべる君に。






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