がちゃ、
「!」
「おはようございます、日吉くん」
今日の朝練は6時から。
だからいつものように、30分前に部室につくように家を出て、予定通り30分前につき、部室に入ると、あの、幸村さんの従兄弟というマネージャーがいた。
「…おはようございます」
驚いたことが二つ。
一つめは、敬語だったということだ。
俺は二年生。
マネージャーは三年生。
要するに俺は年下だ。
なのに、この人は俺に敬語で話した。
二つ目は、
「…俺の名前、覚えてたんですか。」
俺の名前を覚えていた、ということだ。
俺は昨日自己紹介をした覚えがない。
「え?ああ、うん。昨日部長からもらったここ三年間のレギュラーのデータに乗ってたましたから。まあ、日吉くんのは二年間ですけど」
「……あれ、全部読んだんですか?」
「え?はい。」
うちの部活は練習試合や、部活内でのちょっとした試合でさえデータとして残している。だから一年間だけでもすごい量のはずだ。
それを三年間分読んだなんて…。
呆気にとられていると、ストン、とマネージャーは俺の近くにあった椅子に座った。
「日吉くんって、下克上テニス、するらしいですね!また、見せてくださいね?」
「……それ、やめてください」
「え?」
「敬語、やめてください。俺より年上なんですから」
「あ、うん……だったら二年生みんなそのほうがいいかな…」
「ご自由にどうぞ。……千佳先輩」
「え、名前…!?」
「…立海の幸村さんがいるから、分けただけです。」
「…ああ!」
そっかー!といって照れくさそうに笑うマネ……千佳先輩。
すると、がちゃり、と部室のドアが開いて鳳が入ってきた。
「おはようございます!!」
「おはよう!…さ!準備再開しなきゃ!!」
そう言って千佳先輩はまた仕事に取り掛かった。
「……あれ、日吉どうしたの?顔赤いよ?」
「……うるさい!!」
自分でもわからない。
この気持ちがなんなのか。
*
ということで、日吉でした。
次は、立海のあの方です。