「今日の朝はびっくりしたぜー…」
「まさか立海の幸村の従兄弟とは思わへんかったわ」
ラケットの手入れをしていると、向日先輩と忍足先輩が部室に入ってきた。
「にしても千佳ちゃん言うたっけ?美脚やったな…」
そう言ってうっとりした目をする忍足先輩。
…はっきり、言わせてもらうと…その…気持ち悪い。
「ユーシきめえ!!」
まるで俺の気持ちを代弁するようにおえっ
と言って暴言を吐く向日先輩。
それと同時にガチャリ、とドアが開き、
次々と残りのレギュラー陣が入ってきた。
「おい長太郎、練習すっぞ練習」
「あ、はい!」
部室に入ってきたかと思えばそう言って
ラケットを持ってテニスコートに向かった宍戸さんを慌てて追いかけようとすると、
忍足先輩が宍戸さんに声をかけた。
「なあ、宍戸。自分千佳ちゃんと同じクラスやったやろ?」
「だったらなんだよ」
「宍戸も千佳ちゃん美脚って思わへんか?」
「な、な…お前いきなりなんなんだよ!!!」
バッと忍足先輩の方を真っ赤な顔をして叫ぶ宍戸さん。
「なんなんその反応……まさか、好きなんか?」
「はあ!?ホントなんなんだよ!!おい長太郎!さっさとしろ!!」
「す、すみません!!」
「たくっ…」
噂をすればなんとやら、というべきなのか。
小さく舌打ちをして勢いよく宍戸さんが開けたドアの先には、
幸村千佳さんが立っていた。
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ちょた視点でした!