「今日は転校生がやってくるからな!仲良くしてやれよー」

担任の言葉に、クラス中が騒ぎはじめる。
こんな時期に、だとか、女子か男子か、とか。

誰が来るかだいたい予想はついている。



幸村精市…つまり、「神の子」の従兄弟。


驚きの事実にあの跡部や侑士でさえ動揺を隠せてなかった。
朝練にいなかった(どうせ寝坊だ)慈郎はあいつを知ってどんな反応をするんだ?

そう思って慈郎を見るとすやすやと気持ちよさそうに寝ていた。
そんな慈郎に苦笑しているとガラリ、とドアが開いてあいつが、―――千佳が入ってきた。


「立海大付属中から来た幸村千佳です。よろしくお願いします」

にこっという効果音がよく似合う笑顔で笑う幸村。

そのあとから、担任が出て行くのでハッとするまでの記憶は、覚えていない。




「ふわあ〜…よく寝たC」

担任が出て行き、休み時間。
大きく伸びをして立ち上がる慈郎。

たく…いつまで寝てんだよ。朝練にもこないで…。
まあ、いつものことだけどよ。

「…あれ!?」

目をパチパチさせ幸村を見る慈郎。
さすがのこいつも、制服が違うから転校生には気づくか、と、考えながら幸村のことを簡単に説明しようとしたら、「千佳ちゃんじゃん!!」という慈郎の声に遮られた。

………なんでこいつが幸村のこと、知ってんだ?


「え!?ジローちゃん!?」

クラスの奴らに囲まれていた幸村がこっちを見て叫んだ。


…本日2つ目の驚きの事実。



慈郎と幸村が、お互いを知っていた。





…精進します……




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