神の子ことストーカー…じゃねえ、幸村精市が氷帝をさってから、30分後。
俺と、女幸村は一緒に帰っていた。
「あー…今日は精市くんがいてびっくりしたー…!」
はあっ、と大きくため息をつく、女幸村。
「…そうだな」
はっきり言ってかなりの迷惑だった。
……まてよ、女幸村がいる限り、これから、何日かに一度これが続くのか!?
そう思うと、悶々し出してきたが、はっきり言って俺はずっと悶々しているような柄じゃない。
うだうだしてても変わらねえ!ということで、目の前のやつに聞くことにした。
「おい、女幸村」
「……えっ?」
目を丸くしてこっちを見る、女幸村。
…俺、なんか変なこと言ったか?
今さっき言った言葉を思い返すと…
おい、女幸村
女幸村
女幸村
………やべえ、ずっと自分の中でそう呼んでいたから思わずそう呼んじまった…
と、してもどうしようもない後悔をしながら、隣を見ると、そこには苦笑いしているそいつがいた。
「…精市君と見分けるため?」
「お、おう…」
「……だったら、名前で呼んでくれたらいいのに。」
「は?」
「だから、名前で呼んでくれたらいいのに。私も名前でよぶから。ね?亮くん」
「お、おう…」
「ほら、名前でよんでよ!」
「……千佳…」
「ん?」
「な、なんで返事するんだよ!?」
「ふふー!思わず、ね!……あれ、亮くん耳真っ赤」
「ち、ちげえよ!!」
俺は、この頃から少しずつ気づいていた。
自分がこいつを、千佳を好きになっていることを。
*
久しぶりだと、亮ちゃんの口調が…!