宝くじを当てる

今日のタイヘーちゃんは、夏の風物詩「宝くじ」のお話です。
ちょっと幸せな話ですよ。皆様は宝くじ、買ってますか?

3:宝くじを当てる

タイヘーちゃんは、お買い物を終えて、小さなカートを引きながら宝くじ売り場を通りました。
お財布の中には、コインが3枚。ちょうど、くじが1枚買える額です。
バスはカードで乗れるので、1枚くじを買ってみることにしました。

「おねえさん、スクラッチのたからくじ 1まい ください!」
「はい、1枚ですね。当たりますように」

タイヘーちゃんは鍵の取っ手を使ってスクラッチを削ります。
ごし、ごし、ごし。ちょうど、プレゼントの形のマークが3つ出ました。

「おねえさん、くじ あたったよ。」
「おめでとうございます!」

タイヘーちゃんがくじを受け付けのおばさんに差し出すと、1枚のお札がトレイに乗って差し出されました。

「わあ!ありがとうございます!」
「よかったね、うさぎちゃん」

大きな数のお札をお財布に大事にしまうと、タイヘーちゃんは駅前のケーキ屋さんに向かいました。
色とりどりの、つやつやのフルーツが乗ったケーキはまるで宝石のようでした。

「マスカットタルトくださいな。」
「はい。少々お待ちください」

タイヘーちゃんはお買い物カートに乗って、ケーキを注文します。
ケーキ屋さんは箱にマスカットタルトと保冷剤を詰めると、カウンターから出て持ってきてくれました。

「うさぎちゃん、今日はお祝いかな?」
「てへへ。ちょっとね」

タイヘーちゃんはお買い物カートにケーキの箱を入れ、ぺこりとお辞儀をしました。

その日の晩。ミートパイを食べ終えたタイヘーちゃんは、冷蔵庫からひえひえのマスカットタルトを取り出しました。
つやつやの緑の丸いマスカットは、まるで翡翠のようでした。
タイヘーちゃんはじーっと眺めて、なかなか食べられずにいました。

#2023.8.5.12:32
ちなみに当てた額は10タンカ(1万円くらい)です。

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