わたしにはずっと好きな人がいる。
その人の存在はわたしにとって凄く大きいもの。
だけどね、あの人にとってわたしは一番じゃないの。
だけど、わたしは幸せです。
あの人の傍にいられるんですから。



あなたが気づくことはないね



「満月、お昼食べに行こうよ。」

「うんっ!行こう。」



いつものように、天文科メンバー…月子の幼なじみ達と食べるお昼ご飯。
とても幸せな時間。
だけど、やるせない気持ちになる。
そんな自分が嫌。



「あれ、月子は?」

「今日は生徒会の仕事が終わらないからお昼も生徒会室にいるって。」

「残念、僕月子と食べたかったな。」

「羊くん、ごめんね。わたしで。」

「そんなことないよ!僕は満月が居てくれて嬉しいよ!」

「ふふっ、ありがとう。」



こうやって、みんなと話すことは楽しい。
だけど、やっぱり彼は月子がいちばんで。
優しく接してくれるのは嬉しいけど、切なくなる。
わたしの想いは決して届くものではないから。
だけど、



「…傍にいられるから、」

「満月?何か言った?」

「ううん、なんでもないよ!」

「そう?ならいいんだけど…」



わたしがそう言うと、笑ってくれる羊くん。
あなたの笑顔があればそれでいい、悔しいけど…それで羊くんが幸せなら。



「好き…だよ…」



例え、呟いたことが届いてなくて。
あなたが気づかなくても。



end


2012.03.31


夢ものがたり」さまに提出させていただきました!
参加させていただき、ありがとうございました!





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