恋って辛いね。
梓を見るだけでドキドキして、梓が月子と話しているのを見ると辛くなるし、大好きな月子なのに嫉妬してしまう。
だから、こんな自分が嫌になる。
だけど、恋を知ってしまったわたしは戻れなくて。
不安になる、だって梓の気持ちがわからないから。
知りたいと思う気持ちと、知りたくないって思う気持ちと。



期待してもいいですか



「梓…好きだよ…」



誰も居ない屋上庭園で1人、呟く。
こうやってここで呟いても、意味はないのに。
そう、わかっているのに。



「好き…大好き。」



こうして1人、想いを吐き出したところで伝わらないのに。
それでも、わたしの想いはもう止めることができなくて。



「先輩…?」

「あっ…梓!?」



すると、後ろから声が聞こえた。
それは、とても会いたくて。
でも今は会いたくない人…梓だった。
だって、伝えたいと思いながらも伝えるのは怖いと思っているから。
そんなことを考え、俯くわたしを梓は優しく抱きしめてくれた。



「先輩、顔を上げてください。」

「…うん。」

「怖がらないで聞いてください。僕は先輩のことが好きなんです。」



一瞬、何を言われたたのかがわからなかった。
だけど、抱きしめてくれている梓のぬくもりが伝わって、嘘じゃないんだって実感できた。



「梓のこと、好き。大好きっ!」

「僕も先輩のことが好きです。だから笑ってください。」

「うん…っ!」



たくさんの気持ちが交錯して、やっと伝わった想い。
梓がここに来てくれていなかったら、梓の気持ちを知ることができなかった。
だから、こうして片思いにさよならできたことが嬉しい。
ねぇ梓、これからもずっと大好きだからね。
もっと期待してもいいかな…?



end


2011.12.07

さようならさまに提出させていただきました。




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