「ねぇ、梓くん。名前ちゃんをあんまりからかい過ぎちゃダメだよ?」

「先輩…わかっているんですけど、名前の反応が可愛くて、つい。」

「確かに分かるけど…ほどほどに、だよ?」

「肝に銘じておきます。」



そう、僕が言うと優しく笑う先輩にはやっぱり適わないと思う。
そろそろ、名前のところに行って素直に気持ちを伝えよう。
僕はそう決めて、名前のところに向かった。



「名前!」

「梓?」



少し不安そうに僕を見る名前の上目遣いな視線が可愛くて、思わず頬が緩みそうになった。
だけど、今は不安にさせた分彼女を安心させてあげたくて。



「名前、好きだよ。」
「どうしたの、いきなり?」

「ちょっと意地悪し過ぎたなって。だから、たまには優しくしようかなって。」

「もう、でも安心した。」

「じゃあ、名前の気持ちも聞かせてよ。」

「意地悪…でも、そんなところも好きだよ。」



そう言って笑う名前はとても綺麗で「これも、惚れた弱みだね」と言った彼女に思わず苦笑いして。
とても大切な人だから、ついつい苛めたくなる。
だけど、やっぱり大切にしたいから。



(「もう少し、優しくして欲しいな。」)
(「どうしようかな…」)
(「もう、意地悪!」)



end


2012.03.17


木乃さんリクエストの少し意地悪な梓くんです。
梓くんはからかいつつも、夢主ちゃんが好きなので優しくなります。
少し意地悪か、微妙ですみません…。
木乃さんリクエストありがとうございました!


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