06
久しぶりに一人じゃないご飯を食べた。
やっぱり一人で食べるご飯よりも、みんなで食べるご飯の方が美味しいなぁ、と思った。
「それにしても名前ちゃんも大きくなったなぁ。今年で高1かい?」
「はい!あ、おじさんお茶どうぞ。」
「おっ、気が利くね。さすが女の子だ。」
おじさんは私が来ることを知っていたらしく「今日からここを自分の家のように思っていいからね。」と、おばさんと同じことを言ってくれた。
お風呂に浸かりながらゆっくりと思う。
ここは暖かい家庭だと。
それを分かっていたから両親も私をこの家族に預けたのだと思うけど。
(京治くん格好よくなってたなぁ…)
昔から格好よかったけど、数年見ない間に身長も伸びてたし、、
(彼女、とかいたら、辛いな、)
そんな思いを振り切るように勢いよくお風呂から出た。
「すいません、先にお風呂いただきました。」
「はいはい、いちいち謝らないの!遠慮しない!」
「母さん、困ってるから。」
「あ、京治。ちょうどいいわ、あんたもお風呂入ってきなさい。」
「なっ!?な、なんで俺……!」
「京治くんなんで赤くなってるの?」
京治くん顔真っ赤だし、おばさんと(多分)話を聞いていたおじさんは二人してニヤニヤしてる。
「な、んでもねえよ……!」
こっち見んな、と大きな手で目を隠されてしまった。
「ちょっ、何するの!はーなーしーてー!」
顔赤い京治くんとか貴重なのに!
写メ!
「じたばたすんな。まあ、、風呂行ってくる。」
「あ、ちょっと京治くん!」
パタン、と閉じられてしまったリビングの扉。
うう、、もう少しお喋りしたかったなぁ。
「ふふっ、、青春ねぇ。」
「いやぁ、見てるこっちがむずむずしてならん。」
「ぅええ!?」
え、え、私が京治くんのこと好きなのモロバレですかね!?
「全く、、男なら早く手を出せば「それ以上この子の前で余計なこと言っちゃダメよお父さん!」……まあ、それもそうなんだが。」
「ごめんねぇー、名前ちゃんはなぁーんにも!気にしないでね!」
すっごい気になるんですけど!!!
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