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「まあまあまあまあ名前ちゃんいらっしゃい!大きくなったわねぇー!」
「お久しぶりですおばさん!これから三年間よろしくお願いします!」
「もうっ、そんなに固くならないで!ここは今からあなたの家なんだから。私の事も本当のお母さんのように思ってくれていいんだからね!」
「えへへ……。ありがとうございます。」
「名前ちゃんの部屋は京治の隣よ。」
おばさんの口からぽろりとこぼれた名前にどくり、と心臓が音を立てた。
「あ、そういえば・・・────」
京治に名前ちゃんが来る事、言うの忘れてたわ。
………え?
「お、おばさん、今なんて?」
「だから、京治に名前ちゃんが来る事伝え忘れてたわー。」
あはは、と笑うおばさん。
「え、ほんとですか!?それ!」
ちょっ、ええええ!
「ど、どどどどどうしよう……!」
「なんでそんなに焦るのよー。別に京治が反対したって追い出したりしないから大丈夫よ。心配しないで!」
おばさんは落ち着きすぎですよ!
なんて口に出来るはずもなく、
「とりあえず荷物置いてきちゃいなさい。京治は部活で帰ってくるのは夜だから、それまでは部屋の片付けしたり、私とお喋りしましょうね。」
「……………はい!」
ひとまず京治くんの事はおいといて、部屋に荷物運ぼうっと。
□ ■ □
「あら、もうこんな時間!晩ごはんの仕度しないと。」
「あ、私も手伝いますよ!」
立ち上がっておばさんについて行こうとすると
「ああ、今日はいいわよ。分かっていないだけで体は疲れていると思うし。ご飯までの短い時間だけど少し休みなさい。」
正直有難いと思った。おばさんの言葉に甘えてご飯まで少し眠る事にした。
「それじゃあ、ご飯になったら呼んでくださいね。」
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