もう1度、
※3〜4巻。シリアスです。(多分
天火が処刑された?
あんなに、みんなに好かれている天火が?
そんなの、
「嘘、だ…。」
嘘だよ。
天火は私を1人にしないって約束してくれたもの。
「嘘ではありません。天火様は処刑されたのです。」
牡丹の苦しそうな声。
それは到底嘘をついてるとは思えなくて、
でも、信じられなくて、
「名前さん、辛いのは分かりますが、
これは事実なのです。」
□ ■ □
牡丹が帰ったあと、泣いてしまうと思っていた。
でも涙は全然出てこなくて、
だって、信じられないの。
一昨日までは今まで通りだったのに、
私の名前を呼んで、暖かい優しい腕に抱き締められて、幸せを噛み締めていたのに。
「…………っ!」
ぽろりと溢れるように雫が落ちた。
それは止まる事を知らないようにどんどん落ちていく。
1度枷が外れてしまえばあとはもう崩れるだけ。
この涙を止めてくれる人はもういない。
ねぇ、
もう1度、
名前を呼んで、抱き締めて。
それが叶わないのは分かっているけど。
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書いてみたくて突発的に書いたお話。
天火出てきてないけど←
ここはほんとに涙ぽろりの場面でした、
今でも見ると泣ける自信がある。