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「………なあに、天火。」




天火が怒っているのが、ひしひしと伝わってくる。




「………帰るぞ。」



「え、あ、ちょっ………。」




おもいきり腕を引かれて転びそうになる。

つか空丸くんおんぶしてるのによく腕なんて持てるな。



足早に歩く天火、その横にピタリとついてくる宙太郎くん、そして未だに腕を引かれ続けている私。




なんか、変な図。




天火はまだ怒っているのか何も言おうとせず、それを分かっているから私と宙太郎くんも何も言わなかった。








□ ■ □







心臓がドクドクとうるさい。



空丸と宙太郎が来るのは、大方予想通りだった。



ただ一つ、計算外だったのはこいつが、名前が来たこと。



さっきこいつが振った剣は扱い慣れているように見えた。




だからといって俺たちが相手にしているのは犯罪者だ。




仮にも女である名前にこんな所を見せるのは気が引けたからずっと避けてきたのに。








どうしてこいつは、ここに来たのだろう。









一人で悶々と考えていると背中で空丸が動いた。






「……………降ろせよ。」





震えている声。



こいつが泣いていると、分かるような。





「いや。」





どうやら俺はこいつらの前では、どんな時も意地悪らしい。




顔がにやける。






「降ろせって云ってんだろ────!」





「腰抜けてるのに何云うのこの子っ!!」







髪の毛をおもいきり引っ張られる。



まじで痛え。



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