「っ!?天、火?」
つっかえながらも天火を呼び捨てで呼ぶ事にようやくなれた。
そう言った時の天火はすごく優しそうに笑ってくれたっけ。
「おう、天火だ。んで、今日はどした?」
天火は、やけに私に優しい。
いや、実際、みんなに優しいけど、
なんか、妹みたいになってるのかな?私。
そう思ったら少し笑えてきた。
「え、おいおい…。今度は笑って…、なんなんだよ、こえーよ!」
口ではそう言ってるが、天火の口も先刻よりは緩んでいるように見える。
「ううん。私、天火に大事にされているなあって。」
「そりゃあ、お前は俺たちの"家族"だから、な?」
意味ありげに言われた言葉に、今はどうしようもなく罪悪感が募る。
自然と口を強く結んでいた。
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