■ 霧

悲惨な光景に目を背けたくなった

トランプで切り裂かれ 死んだもの達

こんなの


嫌だ




リオルガ『目を背けるな

目の前の現実から 己の無力さから 絶対に目を背けるな

そして焼きつけろ 決して忘れるな

もう二度とこんな光景を見たくないのなら 生き残れ そして力をつけろ 知恵をつけろ』

『そしたら…守れる?』

ホガロ『アスカ…』

『みんな 死なない?』

リオルガは私に視線を合わせ 頭に手をそっと置いた

リオルガ『それは お前次第だ』

その時のリオルガの顔は優しいおじいちゃんそのものだった


だから今でも覚えてる

でもリオルガ コレは無理なんだ
ヒソカだけはダメなんだ

だって…


ヒソカ「二次試験くらいまではおとなしくしてようかとも思ったけど 一次試験があまりにタルいんでさ◆ 選考作業を手伝ってやろうと思ってね◇

ボクが君達を判定してやるよ★」

不気味な顔と言葉に誰もが緊迫してる

くだらない 何考えてるんだかアイツは…

見知らぬ男「判定? くくく バカめ この霧だぜ 一度 試験官とはぐれたら最後 どこに向かったかわからない本隊を見つけ出すなんて不可能だ!!

つまりお前もオレ達も取り残された不合格者なんだよ!!」

見知らぬ男の人がヒソカにむかって叫んだ

ヒソカ「失礼だな◆」

見知らぬ男「お」

ヒソカ「キミとボクをいっしょにするなよ★」

男にはトランプが音もなく刺さり 倒れた

ヒソカ「冥土の土産におぼえときな◇ 奇術師に不可能はないの☆」

ザザァ ザザザザザ
見知らぬ男「殺人狂め 貴様などハンターになる資格なんてねーぜ!」

見知らぬ男「2度と試験を受けれないようにしてやる...!!」

残った男達はヒソカを取り囲み怒りをあらわにした

ヒソカはそれを見るとバカにしたように微笑み トランプを一枚取り出した

ヒソカ「そうだなァ〜…

君達 まとめてこれ一枚で十分かな★」

男達「「「「ほざけェェー!!」」」」

そこからはヒソカの殺人劇

頚動脈 頚動脈 頚動脈 眼球 眉間 頚動脈 頚動脈 頚動脈 頚動脈 頚動脈 頚動脈 頚動脈

クラピカ レオリオ 「.............」

ヒソカ「くっくっく

あっはっはァ━━━━━━━━━━━ァ☆」

男達「うわぁあ━━━!!」

ジュバッ ビッ

ヒソカ「君ら全員不合格だね◆ 残りは君達4人だけ☆」


76番「 おい オレが合図したらバラバラに逃げるんだ やつは強い.......!!
なぜならあいつは人を殺すことに一片のためらいすらないからだ
オレ達とは実践経験において天と地ほど差がある!! 今のオレ達が4人がかりで戦おうが勝ち目はないだろう お前達も強い目的があってハンターを目指しているんだろう

悔しいが 今は......ここは退くんだ!!


近づくヒソカ

緊迫した3人

私はというと…

意外と落ち着いていた!

76番「今だ!」

“3人”は同時に走り出した

ヒソカ「なるほど好判断…?」


クラピカ「!? アスカ!!」

レオリオ「何 やってんだ!」


「先 行っててよ」

76番「チッ バカめ!!」

「(…少なくとも馬鹿じゃない)」







ヒソカ「あの2人を助けようとしたの?」

「さあ どうかな」

ヒソカの足を払おうと回し蹴りし避ける先に虎鉄(こてつ)ちゃんを構える
トランプを使って参戦するヒソカは余裕で笑った

ヒソカ「その具現化した武器 虎鉄ちゃんだっけ? キミの心理状態に応じて鉄の様々な武器に変わる念能力…

見るからにヤル気なさそうだね…◆」

「うるっ…さい!」

今の虎鉄ちゃんの状態は十手だった

リオルガが敬愛する国 日本の武器

私は虎鉄ちゃんを下ろしレオリオ達の走っていった方向を眺めた

「ハァ そりゃやる気も無くなるよ ヒソカだもん あんただってそうでしょ?」

ヒソカ「ボクはキミと戦えることなんて滅多にないからやりたかったけど★」

「嘘つき 未だに私のこと傷つけたくないとか思ってるんでしょ?」

ヒソカ「.....◇」

何も答えない たださっきとは違った優しい笑い方に内心舌打ちをした もちろん自分に

“よかった”と思ってしまっている自分に

殺人狂の優しい笑顔にほっとしているだなんてどうかしてる

ヒソカのこの顔を見れるのは恐らく私だけ どんなにヒソカが私と違う道にいってしまっているとしてもこの顔だけは変わらない 傷つけたくないとか思ってる私に対しての想いとか

「変わらないね …ヒソカは 私…もか」


こんな狂った殺人鬼のヒソカを許してしまう

だって… 私にとってヒソカは大事な人だから



「さあ 私達も行こう まさかこのまま脱落するわけじゃないでしょ?」

ヒソカ「くっくっく☆ …◆」

「は?」

人の気配を感じる前にヒソカの殺気を感じた

喜んでる?

なんで…


「!!!!! …あんたっ なんで戻ってきてんのよ!!」


目の前に立っていたのは左腕に傷を負っていたレオリオだった

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