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▼ いつだって幼なじみ

晴れていて心地のよい風が吹いている、そんなお昼休み。人が少ない屋上で話す、天野と御幸。

「はっはっはっ、結局俺と話すのかよ。」
「煩い、倉持と話すくらいだったら一也と話した方がましなだけ。」
「アイツも随分な言われようだな。」
「あたしは誰に対しても平等なつもりだけど。」
「平等にそんな態度とられてもなー。」

そう言う御幸を無視して、空を眺める天野。
その顔は悪態をつく割には頬を撫でる風を楽しんでるような、気持ち良さそうな顔だ。

「…アイツさ、お前呼び出して何言おうとしてたか分かるか?」
「さぁ? アイツの話しまともに聞く気無いから。それに毎日何なの心配してきてマジでウザイ。」

そのようなことを言う天野を見て、御幸は薄く笑みを浮かべた。

「アイツはお前に惚れてんだよ。」
「は?」

天野は唖然とする。御幸の言葉が飲み込めずにいると、その様子に笑う御幸を見たせいか天野は睨み付けた。

「分かるだろ普通に。お前に声かけてくる奴なんて、いじめてくる奴等と俺以外にアイツしかいないだろ。」
「だからって、それが惚れてるとかに繋がるわけないでしょ。バカじゃないの。頭蓋骨に穴でもあいて脳ミソ落としてきたんじゃない?」

天野が毒を吐こうとも御幸は受け流して続ける。

「俺、倉持に確かめてあるんだよ。惚れてるかって、だから間違いねーよ。」
「アイツ、バカ? 毎日あたしにあれだけ言われといて惚れてるとかマゾなんじゃない?? キモっ」
「お前それ、本人が一番分かってると思うぜ。そうだろ? 倉持。」

そうして、振り向く御幸に天野が続くと2人の後ろには倉持がいた。
天野のさっきまでの顔がいつもの不機嫌な顔へと変わる。

「そうあからさまに嫌な顔されても…」
「なんで嫌って言ったのに来てるんだよ。」
「他の男から俺の気持ちがお前に伝わるのがやっぱり嫌だったからだよ。」

照れているのか目をそらしながら言う倉持に、天野は心底嫌そうな顔になる。

「はぁ? 何言ってんのマジでキモい。それにもう伝わっちゃいました〜。はい、残念。」

(もう既に心が折れそうな俺はどうしたらいい!?)

倉持は天野の罵倒にかなり打撃を受けたようだ。

(はっはっはっ、面白そうだから見守っとこ。)

かなりこの状況を楽しんでいる御幸であった。

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