花 | ナノ


▼ いつだってあたし達は

倉持はあたしに好きかどうか聞いたりするわけだけど絶対もっと前のあたしならウザイとか確実に言ってた

でも 今は違う


「そらー 中間テストも終わったことだし昼飯食いに屋上行こうぜ」

「はぁ!? お前等またあんな寒いところに行くのかよ」

「まだ 寒くないでしょ」

ブツブツ言う倉持を置いていこうとするとなんだかんだ言っても付いてくる
それを一也と一緒に笑ってやった

一也は相変わらずでいつも通り 飄々としていてちょっとムカつく あんなヤツだから友達いないんだよね
あたしも人のこと言えた立場じゃないんだけど…


この前のクラスの女子達が色々言ってきた時
優しくなったみたいなことを言われたけどあれは正直嬉しかった

だって こんなあたしでも少しは変われたんだってあんな形でも分かったから

たぶん変われたのは…面倒で嫌な学校生活だと思っていたあたしが少しでも楽しいって思えるようになったのは倉持のおかげかもしれない

ホントに馬鹿みたいな話なんだけど

ホントに…

「笑っちゃうよね」

「何が?」

「倉持がアホだから?」

あたしの言葉に固まる2人 間抜けな顔だ

「フッ たしかにな…」
「いきなり何でそんなこと言われなきゃいけねーんだよ!」

帰ると言ってお昼ご飯を片付け始める倉持に私はつい笑みを浮かべてしまっていて
どうしたんだよとあたしの顔を見て照れてる倉持につい言っていた

「いつだって… あたしはあんたに惚れすぎてるんだよね ばかみたいに」

「…」「…」

またしてもつい笑ってしまったあたしはいつもみたいに空を見た




どうしたって

あたし達みたいな子供は 道迷い 怒られ 過ちばかりを繰り返しているようにたぶん大人たちには見えていると思う

でもね

こうして生きていれば今まで会ったことのない人に出会うことができる そして今みたいな苦しみから抜け出せる様な気がするかからとりあえず皆頑張ってるんだよ

花のようにいつか自分だけの花を咲かせるために

まだ芽なのかも蕾なのかもわからないあたし達は枯れないように一生懸命

踏まれても 腐っても 切られても


生きていく



-end-

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