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▼ いつだって喧嘩の種

放課後倉持を教室から連れ出した天野は嘘をつき屋上に倉持を残した

「(これで少しは話し合えればいいけど…)」

天野は教室に戻ろうとして階段を下っていると小湊が見えた
一応報告しようと思ったのか一瞬躊躇い話しかけた

「小湊先輩!」

「あ 天野 どうだった 成功した?」

「一也は素直にいってくれたんだけど倉持はあたしが引き摺っていった なんとかなればいいけど」

やれやれと溜め息をつく天野に小湊はクスッといつもの表情で笑った

「倉持は御幸の帰りを心のどっかで待ってた様に俺には見えてたから大丈夫だよ それに天野がそこまでしたならなおさらだよ あいつら特に倉持は天野に弱いから」

「は? どういう意味?? それ」

「考えれば直ぐに分かるだろ?」

その言葉に考える天野 本当に直ぐに分かったらしくなんなの あいつと不機嫌な顔になった

「普通 不機嫌な顔になるところ? あの2人以外には素直じゃないよね ホントに」

そう言ってまた笑うと小湊は去っていった

「(相変わらず黒い人…)」

天野もさて帰るかと踵を返し階段を下りていった

下駄箱近くになるところで天野は呼び止められる

「天野さん ちょっといいかな?」

「(クラスの女子か…)何? 手短にして欲しいんだけど」

複数の少女達を従えるかのように連れている少女に少しだけ警戒心を持って接する天野 それに対して大丈夫だよと話しかけた少女は言う

「悪い話じゃないからさ」

にたりと擬音が出るかのように笑う少女
それに天野は嫌悪感を抱いた

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