▼ いつだってこんな感じ
朝 起きてすぐ天野は時間を確認した
(5時か…)
眠そうに目を擦りつつも部屋の明かりをつけ机の上に数UBの参考書を出すと黙々と読み込みそして解き始めた
時計が6時半をさすと鞄に今日必要とされる教科書を入れる
制服に着替え 髪を適当に整えるとキッチンへ行きお弁当に昨日の残り物を入れ それから朝ご飯を食べる
これが天野の当たり前の日常である
家を出て学校が近づくと朝の挨拶をしあう学生達の群れの中を無言で通り過ぎ教室へ向かう
教室前の廊下で何やら大荷物を持つ女子生徒とすれちがう その女子は何処かの鍵を落とし気づかなかった
その一部始終を見ていた天野
「…」
鍵をを拾うと女子を追いかけた
「ねぇ さっき落としたけど」
「! …え あ ありがとうございます」
鍵を受け取り天野の顔を見ると女子は怯えたような顔をした
「? …それ持つの手伝うよ」
「いっ いいですいいです」
「なんで?」
その女子はその問いに答えることもなく走り去っていった
残される天野
(…なにあの態度)
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