花 | ナノ


▼ いつだって俺は

帰ってきた俺に待っていたものは涙の再会とかそんななま優しいものではなく

痛みと罵声だった



倉持に殴られた

どう考えても俺が悪いことは解りきってたから黙って罵声をあびていたら

もう一発きそうになったけど そらがそれを止めた

一発だけって言ったの忘れたの!?の言葉から お前が原因かとかツッコミを入れたくなったけど

俺は黙っていた





屋上で絆創膏を張ってもらっていると

「小湊先輩達一也が帰って来ないから負けちゃったよ」

そんなことを言うから

「あの人達は死んでも俺のせいで負けただなんて言わねーよ」

「…そうかも 小湊先輩とか色々と気が強そうだし あと色々黒いし」

「それをお前が言うか?」

「うるさい 黙れ」

「はいはい」

「ほんっとに頭くる」

そらはかわらなかった



倉持と付き合ってるとあの時聞くと

アイツならそらが泣かずにすむから内心ほっとした自分がいるのも事実だ

俺はそらへの気持ちを諦めなきゃいけないのは分かっていた

けど

あの海で あの言葉で あのそらがいたことで

俺は結局諦めることができなくなった




本当はあの手を離さなくちゃいけなかったのに




あの時俺はそらの手を


離せなかった




“俺 やっぱりそらのことが好きだ”

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