花 | ナノ


▼ いつだってお前はお前

翌日 昼休みの屋上

「はぁ〜」

倉持は盛大にため息をついた
それを見て心底嫌な顔をする天野

「チッ 飯が不味くなるからやめてくれない? それ ガムテープ口にはってあげようか」

「(天野は相変わらずこんなだし 亮さん達に何言われるかわかんねー)」

「おい 無視してんじゃねーよ クズ」

「(っていうか 天野が亮さん達に何言い出すか怖くて想像もしたくねー)」

更に頭をかかえ悩む倉持だがそんなことは知らぬ天野は立ち上がると

倉持の頬をつねった

「あたしの話し聞いてんの? このカス野郎」

「…あぁ 聞いてる(この口の悪さが抜ければ性格も見た目も完璧なのにな)」

心ここにあらずの倉持を見て諦めたのか天野はまたお弁当を食べ始めた 見るからにその様子は不機嫌であった




「なぁ 天野 俺達付き合ってるよな?」



「そうだけどそれが何」





「お前… 俺のこと好きか?」

「…」

突然の質問に自身も倉持は驚いていた


「…(何 聞いてんだ俺は)」



「…」






沈黙の中口火を切ったのは天野だった


「変人だけど…倉持の好きっていうのは

“悲しみが悲しみで繋がらない”から…」




(あ…)


『倉持は悲しみが悲しみで繋がらないような人の愛しかたをしてね』


(天野の言う悲しみは御幸の愛の形のことで結果それが悲しみに悲劇に繋がってしまったから…だからあんなことを言ったんだ)




「倉持が思ってるよりあたしはあんたのこと好きだよ」

「…! 天野っ…」

「勝手に不安にでもなってたんだ」

「うるせぇ」

「顔真っ赤」

「…ぅるせぇ」

穏やかに笑う天野の顔にその珍しさから更に顔を赤くする倉持だった







「先輩が会いたいって言ってんだけど会ってくれるか?」

「調子に乗るな 馬鹿」

「…」


天野の毒舌に背中に妙な汗をかき始めた倉持だった

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