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▼ いつだって俺は後輩

放課後練習に向かう倉持は、いつものように寮からグランドに向かった。カラリと晴れたその空をふと見た倉持は、先程までの悩みを少しだけ忘れさせてくれるのかもしれないと感じた。野球はそれほどまで、倉持にとって大切で、生き甲斐だ。そこに小柄な少年が話し掛けた。ピンクの髪と糸目にの少年に、倉持は挨拶をする。それに対して、少年は笑う。

「ねぇ、倉持。お前付き合ってるの?」
「え!?」

何故知っているのかと、倉持は思案ようとした。だが、追い詰めるように倉持に笑顔を向ける少年は、続けた。

「同じクラスの子だよね」
「は…はい…そうです」

ニコリと笑う彼は楽しそうで何処か黒いものが見え隠れしているように、倉持は感じた。嫌な予感しかしないのだ

「…(俺が何かしたか?)亮さん?」
「連れてきてよ」
「え」

聞こえた声は、音声としてであり言葉としては伝わってこない。何がどうしてそうなるのか、倉持は動揺した。

「その子、俺達のところに連れてきてよ。」
「え、でもっ、そんな急に…」

焦る倉持の頭を少年は掴む。身長は倉持が上なので、屈むよう催促することを忘れずに。

「先輩命令」

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