「バカじゃないの」


そう言われた瞬間左の頬に痛みがはしった
俺はこの目の前にいる俺の愛する彼女に殴られたとわかった しかもグーで

なんで殴られた?


数分前─────‥

『倉持ー』
『なんだよ』

俺は友人と呼ぶにはあまりに目付きの悪すぎるヤツに声をかけた

『誕生日にさープレゼントするんだったらアイツ何が喜ぶと思う?』

アイツとはもちろん俺の愛する彼女 男にプレゼントするわけねーし 他の女にやる気もねー まぁ貰ったりはするけど そうするとアイツ直ぐ妬くから可愛くて可愛くて…

目の前の目付きの悪すぎる男は『のろけかよ』と怠そうに窓の外を見る

頼りにならないヤツだ

『御幸君 プレゼントって女の子?』

横から女子が聞いてきた
あれ 確かコイツって俺の愛する彼女と全てにおいて敵対してるヤツだったっけ?? ダメだー俺アイツ以外の女には興味0だから
それにコイツと一緒に考えたプレゼントなんてぜってー受け取ってもらえねー
あ でもアイツプレゼント貰うこと自体は嬉しいからどうしようって困ってるけどでも怒ってるようなアイツの顔見れるかも
ヤッベーぜってー可愛い

『あぁ そうだけど』
『一緒に考えてあげよっか』
『マジ!?』

俺の考えている事などお見通しだとでも言うようにヒャハハと笑う目付きの悪すぎる男 ウルセー

そして俺の後ろを見て更に笑った

横のこの女子も俺の後ろを見て満面の笑みだ


ん?後ろ??



振り向くと俺の愛する彼女が

背中に冷や汗を感じたのは まぁ一瞬だ

『御幸一也君 ちょっといいかなぁ』

そして教室をあとにした
その時のあの2人の顔ときたら極悪人にしか見えなかった

──────‥

静まり返る廊下

皆さんは俺達を凝視する


何でバカなのか 何でグーなのか

左の頬はただ痛むだけ
原因は俺だということは分かるけど

「プレゼントとか…相談なんかして バカじゃないの」

あ そういうこと


まぁそういうところも好きだけど








「でも…嬉しかった」ボソッ
「…」






たまにこういう照れ隠しをする
(手荒な方がほとんどだけど)






「ごめん お前さ」
「何」
「マジで可愛すぎ」ブンッ






座り込む俺を残しスタスタと歩いていく
いって〜
普通野球選手に回し蹴りとかするか?


──────‥







わかってねーよな






お前のその照れ隠しは



俺を








もっと夢中にさせるだけだから






「ヒャハハ お前相当なMだな」

「ほっとけ!」



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