▼ やってきたよ高校生活!! 2
「片岡監督ー」
挨拶がしたくて私は監督のもとへ訪れた。
「桜…まさかお前が青道に来るとは思わなかったぞ。」
「そうですか?」
笑顔で返答する私に監督も口角をあげる。
「私、応援したいんです。でもそれ以上に皆と一緒にいたいって思ったわけで…」
結構不純な理由だ…。
言葉につまっていた私を見て監督は私の頭に手をおいた。
「理由はどうであれ、お前自身が成長できるといいな “ここ”で。」
「…はい!」
まさかこんなことを言ってもらえるなんて…そんな嬉しさを胸に私は大好きな皆のもとへ向かった。
栄純はもう来たかな?
そう思ってこっそり寮の方を物陰から見ていたら、礼さんと栄純の声が聞こえてきた。
慌てて隠れると礼さんと別れた栄純は私に気づかずにズンズン進んでいく。辺りを見回したり、パンツに驚いてる姿に声が出そうになったけどなんとか耐える。栄純がやっと部屋を見つけたから、私は静かに背後に近づいて笑っていた。
栄純全然気がつかない、なにこれ超楽しい。
「3人一部屋の共同生活なんて初めてだからな..」
そりゃそうだろうよ。
「なんか緊張してきた。」
私もだよ。
心のなかで呟きつつ、ふと寮に住む住人の札を見つけた。
あ!栄純の同室の先輩って…
扉をあける栄純の後ろから扉の中を覗く。
「!?」
そこにいたのは血まみれの...ニッと笑った少年が。
「「うわぁあぁああ 出たぁ〜〜〜〜〜」」
「は?」「あ」
気がつくと腰を抜かして栄純と一緒に叫んでいた私。栄純の青い顔は私を見ると一瞬フリーズし、みるみる驚いた表情へ。
「ヒャハハハ 大成功〜〜!!わるくおもうなよ!俺も去年やられて腰ぬかしそうになったからなー。
? …桜、お前までなんで腰ぬかしてんの??」
「洋一さん!同室の後輩に対してこんなことしたらかわいそうじゃないですか!! 」
「悪かったって言ってんだろ...それにしてもお前、本当に来たんだな。」
そう言って私を見てしょうがねぇヤツと頭をかく、そんな洋一さんに私は笑顔になっていた。
「え? お二人ともお知り合い??」
状況が全く理解できてない栄純が面白くてつい吹き出してしまう。
「栄太郎、変な顔〜。これで私の作戦も大成功!!」
「うるせぇ!栄純だって言ってんだろーが、混乱してるのに余計なつっこみさせんじゃねぇ!!!」
「オイ、お前コイツとどういう関係だ…?」
同じく状況が読み込めてない洋一さんと
桜がなんでここに?
と筆談の増子さん。
「新しく入ってきたガキのわりには、桜と随分と親しそうだなぁ。テメェ。」
ちょっと不機嫌な純さんは栄純にガン飛ばしをしながら現れた。
「あ、久しぶり純さん。」
「今年は遅いじゃねぇか、桜。珍しいなお前がわざわざ寮の方にまで来るなんて。」
「…実はね、私は青道に入学することになりました!」
「…え?」「は?」「…!!」「…はー」
4人のそれぞれの反応に、私は笑っていた。
この皆の驚いた顔…ヤバいまた吹き出しそう。
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