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▼ 伊佐敷純奮闘物語 その2

桜が倉持と付き合い始めた、そんな話がようやく出回り始めて数日経った。

「よくあの伊佐敷が倉持に譲ったな。」
「そうだな。」

歩いていたら話をするクリスや丹波の声が聞こえてきた。別に譲ったわけじゃねーよ。と、反論しようとすると…

「譲ったわけじゃないよ。」

意外な人物 亮介が俺の言葉を代弁してくれた。おぉ!一番邪魔してたお前がそんなこと言うだなんて…

「玉砕した、それだけだよ。」
「「「…」」」

少しでも感動した俺が馬鹿だった。

この数日、桜はというと俺に気を使ってか、付き合うこと事態に気乗りしていなかった様子だった。そんな桜を心配して倉持がしょっちゅう声をかけるようになったから、出回ってしまったのだけれど。
仲良く話してるところを見れば、まあこれでよかったのかもしれないと思った…ほんの少しだけ。

亮介はいつもの笑顔で俺に言う。

「結局、こういうことになるんだね。」
「…なんだよ、文句あんのかよ。」
「別に無いから、今回は何も邪魔しなかったんだけど。」
「全部知ってる様な所がムカつく。」
「泣いたり吠えたりしてると思ったのに、つまんないね。」

うるせーよ。折角、踏ん切りついたと思ってたのに…

「畜生ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」←結局吠える

決めた。
あいつらがいちゃついてたら、全力で阻止してやる。


「倉持さん、今日も1日頑張って下さいね!」
「ヒャハ お前も勉強頑張れよ。」
「そういう事言わないで下さいよー、もぉ、あ!」
「?」

ドンッとわざと体当たりしてやった。

「おー、わりぃ。目の前の物体に気づかなかった。」
「物体って…俺人間ですよ。」
「ウルセー! 変な突っ込みいれんじゃねぇ!!」

といった感じで伊佐敷純は奮闘していくのであった。

変な解説いれんじゃねーぞ オラァ!!

怖いのであった。

「仲いいね♪」

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