▼ さあ、春休み
父との関係が良くなり、あれから私は春休みを満喫している。父の私への態度にかなり驚いていた皆の反応はちょっと…面白かったなぁ。
『おい、テメーら、桜になんか言ったんだってな。十秒以内にそいつは出てこい。1/2殺しで勘弁してやる。』
『お父さん、それ半分も死んでるから。』
(((((((あ、お父さんって言ってる))))))
私は皆さんの前に出て言った。
『あの、ごめんなさい。自分勝手で人の気持ちを考えないことして、私もっとちゃんとした人間になります! だから…また、来てもいいですか?』
不安な気持ちで聞くとなんだか怖く見えた。でも、大丈夫だと直ぐに言ってくれたのは哲くんだった。
『来いよいつでも、あの時の言葉は変わらない。』
『哲くん…。』
なんか泣きそう、嬉しい…。
『桜が謝ることないよ。1年、血祭り決定だから。』
『おい、テメェら血祭りだ。桜謝らせた奴出てこい。』
『え…!ちょっと純さん!?亮さん!?』
と、まぁ色々と大変だった。
でも皆優しいからこその言動なんだよね。血祭りはやめてほしいけど。
その日の練習後─‥
「ヒャハハ 今日は大変だったな。」
「あ! この前のいい人!!」
変な笑い声、そしてこの目付きの悪さ…うん、間違いない。
「倉持だ、今年入った。」
「私は麻日奈桜です。2年生の結城哲也の親戚です。」
「知ってる。」
「あの、この前はご迷惑おかけしてすみませんでした。」
私はやっぱりこの倉持さんをやさしいひとだと思った。
「別に謝る必要ねーよ。」
「え…でも。」
「お前の父親がヤバそうだからな ヒャハハハ」
「! …ですよね!!」
その時は気付かなかったな…自分の気持ち。
そしてあの大好きな人の気持ちを…
「倉持さんって笑い方、面白いですね。」
「…ほっとけ!」
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