大好き! | ナノ


▼ 私がしたことって?

私は青道の1年の人達おかげで、やっと長野のおじいちゃんとおばあちゃんのもとへ帰ってくることができた。思った通り心配してたみたいでちょっと申し訳なかった。

おじいちゃんとおばあちゃんだって私の家族なのに、そんな事すらあの時は考えられてなかった自分に嫌気がした。
そのことをずっと心配してくれていて、東京でも連絡を取り合っていた若菜ちゃんに話した。

『いっぱいいっぱいだったんだからしょうがないよ、だれもせめないって。
でもね、桜はいつも人の話し聞かなさすぎ。そのことと桜は独りじゃないよって、ここにもいるんだよって、言おうと思った矢先に電話きって、久々に連絡とれたと思ったら帰るだなんて本当にびっくりした。』
『ごめんね。いつも連絡すると必ず出てくれる若菜ちゃんには気を使うこと忘れちゃうみたいで…』
『まぁ、帰ってきてくれたから本当によかったよ。』

ダダダダダダダダダダダッと廊下を駆け抜ける音がする。ちなみにうちの床はよく音が響く、それを皆わかっているはずなのにこの家にあがるものは気にしないのだ。
襖を開けられ私と若菜ちゃんは振り向いた。

『桜ー!! ハァハァッ 本当に帰ってきてた…ハー』

私を見るなりハーと部屋に倒れこんだ。どんだけ走ったのかっていうか、どこから走ってきたのだろうか?近所なのに。

『ねー栄太郎。』
『栄純!! いい加減に名前はおぼえろっ!』
『どうしたの? そんなに息きらして。』
『お前が東京行ってから帰ってこないから心配したんだろーが!』
『!…ありがと。』
『なんだよ、急に改まって。』

栄純がそんなに心配してくれてたなんて…

『べつにー。』

やっぱり栄純には教えない。

お兄ちゃんが亡くなったことを。誰かが悲しむ顔を見るのは嫌だ。正直こっちまでつられてまた悲しくなる。

だから、まだ、
『もうちょっと待ってね』
もう少し、もう少し待って、強くなるから。
強くなって栄純に自分から話せるようになるから。

『え!? なんだよ桜。』
『言わないよーだっ。』

それからしばらくたった。
勉強はまぁなんとかなってる。事情を知っていた先生達は私が普通の授業に戻れるように、遅れた分を叩き込んでくれた。
学校はやっぱり好き。

「いってきました〜」

これが方言だってことを知ったときは衝撃的だったなぁ。方言ってそういうものね。

「…そう、じゃあ近いうちにね。」

ガチャと電話を切る音とおばあちゃんの声がした。誰と電話してたのかな?

「おばあちゃん、電話??」

そう言っておばあちゃんの所へ行くと…

「桜、今蒼一から電話があったんだけどね、今度桜に電話したいって言ってたよ。」
「へー、で?」

私はその話を聞きながら置いてあった梨を食べていた。美味しい。秋ですなー。
今まで連絡寄越さなかったくせしてとか色々気持ちはあるけど、あの人のお葬式での態度をみるからには何か思うことがあったのだろうか?

「桜にそうたのこと電話したときお前の言った言葉でようやく…自分が今までお前達になにもしてあげれてなかったことが分かったみたいだよ…」
「…え、私?私が何か言ったの??」
「覚えていないの…!?」
「う…うん。さんざん泣いてたから、そこだけ記憶がポーンと…」
「…」

何も言わなくなってしまったおばあちゃん、何か考えてるみたい。

「おばあちゃん?」
「…思い出さなくていいからね…」
「え…」
「まぁとりあえず 蒼一の連絡を待てばいい。」

おばあちゃんが思い出さなくていいって言ったとき悲しい顔してた。
私はあの人にいったい何を言ったのか…

傷つけたの?

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