24.要塞は墓場 2/3

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原作でのガイエスブルグ要塞は、イゼルローン要塞より印象が薄い。とはいえ、大きな人工惑星であることは同じである。だからこそ、要塞には要塞を持って戦うわけだ。
帝国の軍とは妙なものだ。カサンドラは口にはしないが、そう感じた。
女性という理由だけで、ガイエスブルグ要塞の立ち入りが遅らされ、彼女は王虎で待機していた。女性が社会進出していないためだろうが、役に立つかわからない下士官より自分の方が役に立つ。すこしばかり、ふて腐れる。
暇でどうしようもなく、カサンドラは寝ようとした。
遮ったのは、フェルナー准将からの呼び出し。予想していない呼び出しに不可解に感じながら、やっと王虎から脱出できた。
でかい要塞に、背の低い彼女。やはり、この背を恨んだ。なんだか自分をちっぽけに感じてしまう。
無駄に腹を立てながらフェルナー准将を探す。見つからないというより、誰が誰やらわからない。ワーレンとルッツも区別がつかんが、他も充分わかりづらい。

「ビッテンフェルト提督の配下にいる曹長とはあなた、ですか」
「フェルナー准将でしょうか」

敬礼をしながら尋ねると、フェルナーは不思議そうな顔をした。顔を眺められることは好きではない。
実はフェルナーとマーティルダは面識がある。そしてマーティルダは、カサンドラが来たことにより、変わった歴史の一欠片であった。マーティルダの話は別の物語である。
フェルナーはカサンドラに事の説明をした。ビッテンフェルト提督の元に配属された下士官たちが揉めているようで、フェルナーでは手に負えないらしい。
カサンドラは本音を吐く。

「罰したらいかがです?」
「したいですけど、いきなり多数を罰するわけにはいきませんから」

人材的に、と言われた気がしたので、仕方がなくその現場に向かった。
血の気が多いのは下士官より士官。しかし、関わる機会が多い曹長たる彼女が、ビッテンフェルト同様に血の気が多いと、影響しないようにする方が難しい。揉めたら物理技でも施行しない限り落ち着かないだろう。あくまで彼女がやるなら。ビッテンフェルトを止めるには、「ローエングラム公」や「皇帝」の名を出せば良いが。
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