23.セーフルーム 2/4

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ビッテンフェルトが探し回る光景を、ロイエンタールは高みの見物をしていた。ワイン片手で冷笑を浮かべる友人に、ミッターマイヤーは好意的とは言えないようだ。
ロイエンタールは二人の関係に好意的ではない。だからと言って冷たくするものでもあるまいと思う。

「一緒に探してやろうぐらいはないのか」
「これで浮気現場に乗り込んだら面白いだろうな」
「おいおい」

自分に置き換えたらこれぽっちも面白くない。
ビッテンフェルトが浮気相手もろとも消し去る光景が浮かんだところで、二人とも席を立った。このまま、放っておいたら軍事に支障をきたす。
あの猪のカサンドラへの溺愛っぷりは目に余る。それだけに、カサンドラが浮気をしたら面白そうではあるが、後始末が大変であることは分かっていても。

「ビッテンフェルトに恋人か。似合わないな」
「女神は誤った人選をなさるものだ」
「そうか?おれとエヴァのように正しい人選をすることだってある。
・・・・・・おい、ロイエンタール!?」

ミッターマイヤーは首を振り回す勢いで辺りを見渡した。
何の変哲もない廊下。面白みのない電球。つまらない壁。しかし、事実は確かにある。
いたはずのロイエンタールが消えてしまったのだ。
悪戯にしては幼稚すぎる。だからといって、誘拐なんてされるはずがない。そもそも気づく。だいたいロイエンタールを誘拐して何が楽しい。カサンドラを誘拐するならともかく。
慌てるミッターマイヤーの元にキルヒアイスが運よくやってきた。本当に運が良い。

「ミッターマイヤー上級大将、いかがなさいましたか。こんなことで」
「実は・・・・・・」

自分でもおかしなことを言っていると思いながら、ミッターマイヤーは事の経緯を話した。
ロイエンタールが消えたと聞いたキルヒアイスは、冷静に微笑んで事の解決に全力を注ぎはじめた。
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