14.燃やされた証拠品 2/3

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どこまで飲めるのか、こればかりはやってみないと分からないことが多い。
カサンドラは初めてのカシスオレンジの口をつけた。そして、これなら梅酒のほうが好みかもしれないと毒づいた。どうやら首をかしげていたようで、ビッテンフェルトが「そんなもんだろ」と言っていた。そんなもんというのはビールも含まれるのか。嫌みや皮肉は控えることのにした。

「くさい」
「腹に何も入れないわけにもいかん。色々買ってきた。ピザはマルゲリータで良かったか?」

そう言いながら、すでにソーセージを食べていたビッテンフェルトを見たら自然と笑みがでた。良くおいしそうに食べる人だと。つられてソーセージを食べた彼女の感想は「べつに美味しくはない」だった。
ビッテンフェルトの方はビールを飲みながら、カサンドラを横目で眺めていた。どうやら相手が見ていないと思う場面では笑う彼女に、かなり怒りがわいていた。笑うことに相手の目を気にする必要があると言うのか。そんな程度を気にする相手とされていることも怒りの原因だった。
一瞬、目を離した隙にビールが一本消えていた。

「苦い!!」
「なら飲まなきゃいいだろ。・・・お前、酔ってるな?」
「酔ってる?所詮カシスオレンジとビールで酔ってる?それはない。
つか、うぉれをみるなぁぁぁぁ!!」
「どこのネタだ!?おい、これ以上飲むな!!」

どこまでお決まりな展開を持ってくるのか、さすがにそんな思考に走る余裕がなかった。缶二本で使いものにならなくなったカサンドラから、アルコールを取り上げた。怒鳴るかと思いきや、ソーセージを食べて「まずい」と言っていた。
油断していたからだろう。カサンドラは酒を自分の後ろに置いていたらしく、気づくと三本目を飲んでいた。この先、完全に記憶が飛んだカサンドラであった。
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