第一話 目指すはダーマ神殿

名前だけを頼りに、地図にないダーマ神殿を探すなど無茶なことだ。
先の見えなさすぎる旅に、ちょっとばかり嫌気がさしてきた。
何故かアリーナを先頭にして歩く彼らは、行き当たりばったりでダーマ神殿に着くなど思っていない。
ベビタンはピサロの頭の上に乗り、かなり楽をしている。
どこかの肩乗りのネズミに見えなくもない。

「はぁ・・・・・・ダーマ神殿はほど遠いですね」
「クリフト、弱音を吐くにはまだ早いわ!!
まだ歩けるでしょ?」
「ルーラばっかりで移動してたからな、最近。
ピサロはともかく、テレサさんは無事?」
「問題ない。
問題あるのはダーマ神殿だろ?」

テレサの次の発言が彼らを驚かせる。

「世界にはダーマ神殿があると言ったが、『この世界にある』とは言ってないしな〜」

長い沈黙にテレサは首をかしげた。
どうやら彼女はみんなが気づいていると思っていたらしい。
確かに、と思うことを言われた彼らは自分があまりにも途方もない旅を始めたことに気づいた。
言うんじゃなかった、テレサはちょっとばかり反省した。

「たどり着けるかな、ダーマ神殿」
「クリフト、弱音を吐くにはまだ早いわ!!
あれ、さっき言ったわね。」
「あぁ、ぎっくりのブライがいなくてマジよかった。
ザラキして棺桶にしてから移動になるとこだったな。」

ひたすらに遠ざかる気がするダーマ神殿だった。

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