第四話 武術大会当日

テレサは第五戦目に入り、ちょっとつまらないと感じた。
何故なら、まだMP技を一回も使っていない。
それだけ強い相手がいないわけだ。確かにアリーナでは楽すぎる相手になる。
次の相手は白と青のピエロに見えなくはない生物。絶対人には見えない。
ピサロがあれはこの世界の魔物ですらないのでは、と首をかしげましたが気にしないことにした。

「ヒーホー!!
迷い込んだら楽しそうな行事をしてるから参加したんだホー」
「・・・・・・あ、あぁそうか。」

動揺するしかないテレサにちょっと同情したクリフトでしたが、隣の発言にすべてを飲み込まれた。

「あれは・・・・・・氷系の魔法を使う生き物。
なんだ、紫と白の服を着た勇者的展開は!?」

ユーリルでした。
メタ、いやちょっとやらかしている発言をお控えいただきたいのですが?
ヒーホーの時点でかなり素晴らしい地点まで来ていますから。

「あぁ〜申し訳ないが、うん」

頭を下げて生物を投げ飛ばして退場させられた。確かにあまり強い生物とは言えませんからね、あれは。
そんなこんなで、とうとうアリーナ対テレサの最終決戦になってしまう。
クリフトとユーリルがやけに気合いを入れるなか、戦いの火蓋は切っておとされる。
先制はアリーナ姫。自慢の速さで突進してきた。キラーピアスの効果もあって、華麗な二回攻撃を決める。間一髪でかわしたテレサは、初めてMP技を使った。

「スクルト」
「・・・・・・え、嘘でしょ」

スクルトを重ねがけする気十分なテレサと、全力阻止にかかるアリーナ姫の戦いは燃えるものがある。
スクルトの重ねがけを終えて、続いてはバイキルト、と始まったのを見たアリーナ姫は悲鳴ものだ。

「ねぇ、アリーナ時の砂持ってなかった?
始めに巻き戻してMP削ればいんじゃねぇ?」
「ユーリルさん、さすがに時の砂は反則では?」
「テレサとやらの攻撃をかわすアリーナが一番強いのではないか?
どう感じる、ベビーサタン」
「へっ・・・・・・テレサの本気なんかこんなんじゃねぇ!!」

ベビーサタンは気合いの入る二人に睨まれる中、必死に応援をする。
間一髪で攻撃を避けるアリーナに、スクルトのせいで被ダメージの入らないテレサ。
終わりが全く見えない争いですが、スクルトの効果が切れた時に攻撃を入れるしかない。
当然、テレサはそうさせる気はないようだ。

「ふぅ・・・・・・ギガデイン!!」
「えぇぇぇぇ!?」
「まさか、ギガデインですか」
「あぁ〜アリーナの勝ち目薄・・・・・・
俺ならマホトーンか、スクルトより先に攻めたな。
準備期間はどんな相手にも与えらんねぇ」
「魔法習得系統が近いのか。ならベホマも習得しているな。
ベホマラー止まりではあるだろうが」
「・・・・・・アリーナのおじょうにはないのか、なんか特技」

やっぱり気合いの入る二人に睨まれるベビーサタンですが、気を入れ直して観戦する。
アリーナが考えて取り出したのは炎の爪。使えば炎の玉が出たことを思い出した。
魔法習得系統からフバーハはないから、ある程度ダメージは通る。しかも自分のMPを気にする必要はない。
アリーナは炎の爪でしっかり狙いを定めた。
空に。

「・・・・・・!?」

前へ セーブ 次へ

×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -