第四話 武術大会当日

アリーナ姫が勝ちますように。
アリーナ姫が勝ちますように。

大事が事だから二回言いましたより酷いクリフト。
観客席に座り物凄い形相で、ぶつくさと同じことを繰り返すこの神官。
こいつは本当に神官なのか、全くわかりませんがとりあえず怖い。
目は見開きすぎていつ瞬きをしていることやら・・・・・・
左隣にはピサロと膝にベビーサタンがいる。完全にクリフトの異質さに押されていると思いきや、ベビーサタンはちょっと頑張った。

「テレサが勝つんだよ、バッキャロ!!
・・・・・・ダメだ聞いてねぇ」

頑張って言った声は耳から受け流してすらもらえず、ベビーサタンは悲しくなりました。
そんな恐ろしいクリフトの右隣では、「確かにアリーナ姫には勝ってもらわないとな」という冷静な声がした。
アリーナという単語に振り向いたクリフトは、目をキラキラさせながら
「ですよね」
と言ったのですが、顔を見て驚いた。
不機嫌まっしぐらの緑の髪の人が、クリフトの鼻を摘まんでくる。

「たく、今日はアリーナが見つけてきた強いやつがいるらしーじゃん?
でもアリーナ勝つよな?有り金、全部賭けたんだし」
「貴様あの女勇者の兄か。」
「あぁ!?誰だ」
「ユー、リルしゃん・・・・・・はちゃして、くださ、い」

鼻を解放されたクリフトは、ユーリルを睨み付けた。
一緒に旅をした女勇者ソフィアから話に聞いていた兄ユーリル。妹にニート呼ばわりされていたユーリルの有り金全部とは一体・・・・・・

「意地悪しないでくれませんか。もう、賭け事はよくありません。
それにアリーナ姫は勝ちます。」
「だ・か・ら!!テレサが勝つ、て言ってんだろ!?
人の話聞けよ、神官。そんでしっかりなんか悟れよ」

ザラキしてはならない悟りを開くのだ。
いや、それは掟かな。
とりあえずクリフトは闘技場に目を戻す。アリーナ姫の勇姿は逃さず見る姿勢に入る。
闘技場に負けたら賭け事は戻らず仲間死亡みたいな、どこかのゲーム展開はないが、横の人みたいに賭けにする人はいるようだ。

「皆さん、やって参り見て参りましょう!!
第一戦は太陽サンサン暑すぎる素晴らしい笑顔のコジマさん!!
そして、おばさん呼びにはまだ早いクールビューティーのテレサ姉さん!!
では、レディー?ゴー!!」


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