第三話 久々のサントハイム

アリーナは拳を振り上げる。
格好いい姫を神官は眺めている。
強さを求める彼女が、武術大会のために訓練をするのは普通のこと。
城の中庭で花と光の間で三人。
アリーナとクリフトとテレサは、武術大会のために訓練をしている。
実際にはクリフトは参加しませんが、アリーナ姫命!!の彼は一緒に訓練している。
一緒に訓練しているとは言うが、テレサはちょっとやる気がないようで眠そうにしている。
はじゃの剣をつまらなさそうに握り、クリフトを横目で見てみる。こいつもやる気なければ出掛けるんだが、なんて言えないテレサは、ため息をついた。

「ねぇ、あなたとあのベビーサタンってどこで出会ったの?
ずいぶん仲がいいじゃない。」
「ん?あぁ別にそんなんじゃない。
怪我してたから治療しただけ。私が住んでいる辺りからゲリュオンが出没し出した頃だ。」
「出没し出した・・・・・・ということは最近現れたのですか?」

答えはYES。
あの日はちょうどエンドールまで買い物に出た帰り。
暗い夜道を荷物を両手に持ち歩いていたら、獣に引っ掻かれたような痕のあるベビーサタンが倒れていた。
驚いたテレサは、当然ベビーサタンに駆け寄った。ゲリュオンの仕業だなんて思わなかった為、買い物袋をゲリュオンに一つ取られて、初めて囲まれている事実に気づいた。
その場を慌てて離れたテレサは、ホイミで傷を癒してあげた後、家で目覚めないベビーサタンに付き添ってあげた。
と、ここまで話を聞いてクリフトが泣き目でした。アリーナも真剣に話を聞いていた。
よく小説にあるような話なんだがな、と思いながらテレサは話をやめた。

「ともかく、練習はどうしたんだ」
「だってテレサ、やる気無さそうだから」
「アリーナ姫が無理に誘ったのは本当にすみません。
ですが、少しお付き合い頂けたらありがたいのですが」
「なぜクリフトが謝る・・・・・・」

ちょうどその時、城の者たちが何やら騒がしい。
三人はちょうど聞き耳たててみた。
姫様、神官よ、行儀悪いぞ。

「聞きました?エルフの男の方と魔物のベビーサタンが、指名手配にされていた詐欺師を捕まえたそうよ」

嘘だろ、と三人は顔を見合わせた。
ただの買い物からどうやれば詐欺師と鉢合わせるのか、普通なら有り得ないだろう。
そして詐欺師にも同情した。
ピサロに捕まるとは最悪だな。

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