第16話 四つ目のクリスタルは 2/3
一方、ウォーリアは死者の都について情報を集めていた。しかし、どれも死なねばならないという話ばかりで、諦めかけていた。仲間に死ねとは言えない。まずは仲間の命を尊重すべきだと思う。
死者の都の話を聞いたフリオニールは、死んだ仲間のことを思い出した。彼らに話せることができたら、手を貸してくれるだろうと。問題は死んだ仲間に伝える術である。モーグリのぬいぐるみを直しながら、フリオニールも考えてみる。

「レイナ、俺たちが死ななくても、死んだ仲間に伝える手段はないだろうか。」
「それも一度死ぬんじゃないか?」
「それは・・・・・・嫌だな。
ミンウに伝えられたら、手伝ってくれるだろうに」

夕食をつまみ食いしていたティーダは、フリオニールとレイナの方を振り向いた。死者に伝えるだけならやれるかもしれないと思ったようだ。問題は誰に伝えられるか分からない点にある。非協力的な人に伝えても意味がない。

ティーダは眼を開けた。暗闇にいるようだ。

「夢の中はすべての世界に繋がっている。死後の世界にも、ね」

嫌いな奴の声にティーダは振り返る。
水色の髪、顔に合わない声、余裕そうな顔。シーモア老師だ。
ティーダに夢の世界が死後の世界に繋がる、という発想はなかった。ただ、自分なら伝えるだけなら出来る可能性を見たに過ぎない。
出会うやつがシーモア老師とは思わなかったが。

「死んだ奴の住む世界にクリスタルがあるんだ!!
そのクリスタルを保護しろ、シーモア老師!!」
「私にとってあのクリスタルはどうでもいい代物ですが。」
「オレのいる世界がヤバくなるんだよ!!」
「・・・・・・急ぎのようですので、考えておきましょう。」

嫌いでムカつくやつではあるが、卑劣な真似をするような人ではないとティーダは思うことにした。シーモア老師を頼らなければならない状態なのだから、文句は言えない。
ぶん殴りたいやつならジェクトが出てきた方がマシだった。
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