第15話 大人げない17と21 2/2
フリオニールは楽しい展開の結末を眺めていたかったが、彼は買い物をしたかった。落ち着かない彼に、ジタンが気をきかせて買い物に行くと言い出した。レイナが行こうと言い出したのを、ジタンが無理に割り込んだのだ。
頼まれたのは針と糸。ティナからモーグリのぬいぐるみを直してほしい、と頼まれたらしい。レディの為ならちゃんと買ってくるジタンである。
第一走者クラウドというが、第二までしかないので迫力がない。

「シューティングは得意なんだ」

得意の一言で済ませてはならない気がしたのだが、クラウドは張りきって向かって行った。
シューティングの中身はクラウドが経験したものと同じようにジェットコースターである。他もほぼ一緒。パクりとラグナが横で呟いたが、やまびこにもならず響き渡らなかった。
クラウドが星やUFOを撃ち抜いていく。撃ち漏らしはない。スコールは参考に、他四人は楽しんで観戦している。レイナはスコアを抜かされる心配をしていないようだ。
結果、350120点であった。スコアとしては神様と言われてもおかしくない。しかし、スコアを抜かせなかったことは事実である。
何を撃ち漏らしたのか分からないまま、スコールが挑戦する。
クラウドが撃ち抜いた場所はちゃんと撃つSeeD。もしかしたら、何かが的なのかもしれない。スコールは適当に撃ってみた。
まさか、減点されるとは思わなかっただろう。
ショックを受けたスコールが、エンドオールで破壊行動をしないことをラグナは祈った。
シューティングを見ていたバッツは何かに気づいたようだ。

「ねぇ、フリオニールはウェポンマスターなんだろ?
ちょっとやってきて」
「バッツ、自分でやればいいだろう」
「シューティングはいいけど、ジェットコースターは嫌。
それに格好いいところ見せたら、モテるかもよ。
クラウドとかスコールとかこのゲーセンで神様扱いだし」
「いや、大半は男。それに神扱いされてもな〜」

そう言いながらもバッツが耳元でなにか呟いてきた。
聞いたフリオニールは、一回だけやることにした。あまり乗り気ではないが、フリオニールがやると聞いたレイナは喜んだ。彼が堅物で気を張っているのではないか、と気にしていたから遊ぶフリオニールが新鮮らしい。
シューティングの機械を見たフリオニールは、弓みたいに重力を気にしなくていいことに感動している。そうしているうちに動き出した。的を狙い、的確に撃ち抜く。特にクラウドの時と変わったことはない。最後以外は。
後ろを向いたフリオニールは、ジェットコースターのシートに描かれているUFOを撃ち抜いた。その瞬間、なかったはずのUFOの的が数秒間だけ現れたのだ。

「はぁ!?」
「そりゃ、シートまで的とは思わないからな〜」
「なんだと」
「あはは、そりゃ気づかないよな。遊んでて試しにやった出たんだ。バッツ、よく見抜けたな。」
「消去法だな」

こうしてフリオニールが二位に浮上した。
これでクラウドは落ち着くと思われた。落ち着くどころか妙にスイッチを入れてしまった。気合いの入りまくったクラウドを止める手段を誰が知っていようか。
そんなことより、ここにチョコボレースがあればいいのに、と思うバッツであった。
 TOP 
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -