第15話 大人げない17と21 1/2
ドラミルに遊びに行きたいティーダとクラウドは、朝からジタンとバッツを連れて出掛けた。
運転をクラウドに任せ、三人は後部座席で観光気分。『審判者』たちはトンベリの事件より士気が低下。確かに遊ぶなら今のうちである。
起きたウォーリアがコテージに置かれた手紙を読んで、若干怒り気味になったのは簡単に想像がついた。しかし、次の目的地に向かう手段に悩んでいた為、怒りは長続きせずに済んだ。食料と称してモルボルを運んできたスコールとティナは、お弁当に持っていけば食費代が浮いたのではないかと思った様子。むしろ、モルボルがお弁当かと思うと食欲が失せる気がした。
ドラミルについた彼らは、帰りの車の燃料を買う。スコールなら乗り捨てしていたことだろう。
ゲームセンターに興味があったジタンとバッツは真っ先に向かった。掛け声はクラウドの「行くぜ」である。
楽しそうなゲームセンター。クラウドのおかげでスノーボードが行列になっていた。皆でクラウドのスコアを越えようと必死らしい。この行列に並びたがる二人だったが、ティーダが別のゲームを見つけたようだ。

「なぁ、シューティングゲームって?」
「シューティングっていうぐらいだから撃つんじゃねぇ?」
「やればいいじゃん。クラウド、お手本見せて〜」

いきなり話を振られたクラウドは、シューティングをやるかやらないか、頭の中で必死に考える。
ここがあのゲームセンターと同じシューティングゲームとは限らない。スノーボードはクラウドが何度も繰り返しプレイして、コースを暗記したから出来たのだ。付け焼き刃で出来たりはしない。ハイスコアを出すには何度も繰り返しプレイしなければいけない。

「スコールがクラウドのスノボランク出したぞ。マジで変ってあるんだな」

ラグナの声がしたことより内容に衝撃を受けたクラウドは、スコールを探し始めた。
遊びに行ったことに嫉妬気味だったスコールとラグナの為に、フリオニールとレイナが同行している。
「変」を出されたクラウドは悔しくなったようで、スコールを見つけて睨み付けた。

「あ、いたいた。
あんたら、シューティングやりに来ていたのか?
星を撃ったりUFO撃ち落としたりするんだろ?一時ハマってどうしようかと」

レイナの台詞を聞いたクラウドはスコールを掴んで怒鳴る。

「スコール、シューティングで勝負しろ。」
「いや、俺はジタンたちに会いに……」
「スコールってさ、寂しがり屋だよなー
もう少し素直ならなー」
「それよりクラウドの大人げないが発動したっス」

21歳児のクラウドがカードマニアスコールに駄々をこね始める。
この光景に、レイナが満面の笑みで二人のスイッチを入れた。

「ということは必然的に私とも競うのか」

全員がシューティングゲームのスコア掲示板を見る。
トップに書かれた名前はそのままレイナ。点数は350201点。
驚いたと同時に燃え上がるクラウドとスコール。ラグナとバッツは完全に出遅れたようだ。
やる気の入った二人は早速並び始める。いつの間にか、ラグナは使い捨てカメラを手にして、息子の勇姿を収めようとしているようだ。
こうして大人げない二人のシューティングバトルが始まった。
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