第14話 この世界の竜騎士 4/4
帰宅して早々に、男性陣はとある作業に取りかかった。
テントだけで暮らす訳にはいかない事に気づいたのだ。
誰かが気にした訳ではなく、テントを組み立てたら気づかされたのだ。毎日テントを組み立てて暮らすのは不便すぎる、と。
そのため、臨時のコテージを作っていた。旅をする際のコテージなどテントより質がいいだけで、実際にちゃんと作ると大変だ。
風呂はガイアの銭湯に世話になるとして、それ以外の設備には専門家が必要。のんきに眺めていたレイナとティナが、ガイアの町に買い物ついでに依頼しに行った。
水道管はそこまで引いておらず、水洗トイレと言うわけにはいかなかったが不便ではないだろう。電気が全てにあるような町ではないガイアでは、電気など公共施設のみで使うものなので、太陽の光や火でやりくり。最低限のみではあるが、フリオニールからしてみると、今までより贅沢だったので気にするものでもないらしい。
約3日で完成させたコテージ。即席とは思えない出来に、作った本人たちは大喜び。やるなら完璧に、という人ばかりだったためだろう。

「元大工でもいるのか?」
「大工として潜入するかもしれないから、設計図ぐらいなら書ける」
「反乱軍にいた頃に、馬小屋とか作るのを手伝わされたことがある。ガイの方が力仕事はよくやれたな〜」
「盗賊って色々やるからな。今まで小道具の直しばっかだったから、楽しかったぜ?」
「飛行船の操縦より楽だよ?」
「いや、みんなを褒めちゃアカン。クラウドくんなんか『ハンマー取って』って言ったら、ペンチくれたしなー
おじちゃんもそこまではボケてない」
「何を言ってるの?ラグナも設計図、逆さまにして見てたじゃん」

全員が優秀ではなく、優秀な人のフォローが上手かったのだろう。意外にも一番怪我が多かったのは、ウォーリアだった。全ての指に傷があり、その傷を勝ち誇ったようにレイナとティナに見せつけてくる。
それに抵抗するかのように、二人は自作の料理を差し出してきた。お腹を空かせているであろう彼らに手作り料理である。
冷静に中身を見たウォーリアは、緊張気味のフリオニールに真っ先に見せた。その緊張が一瞬で別の緊張に姿を返る。見た感想をストレートに言おうとしたティーダは、セシルの右ストレートを食らったが見なかったことにした。
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