第13話 アビリティ【どうぶつ】 1/2
「こちら、ジェノバ片割れ。受付の机下にいます。まったくつまらん。どーぞ」
「こちら、ボコLOVE。受付ごっこしてます。たのしーい。どーぞ。」
「こちら、エルオーネは俺の嫁!!ジェノバ片割れと同じく机の下さ。どーぞ」
「・・・・・・こちら、班長。この距離でこの話し方の意味が理解できない。どうぞ」

スコールが平然と「雇われ傭兵です」と言って潜入してきて、ここのセキュリティが緩いことを知ってから、平然と受付ごっこをして作戦開始まで待っていた。ひそひそうを構え、いつでも合図が来てもいいようにする。
そして、そのときは来た!!
広すぎるエントランス。狩人のバッツ。とんずら準備済みのジタン。連続剣準備済みのスコール(瀕死で)。暗闇に敢えて悲鳴をあげるラグナ。
そして、100体を越えて放たれたトンベリたち。
出てきたモンスターに動揺し出す前にスコールが何体かトンベリを倒す。明かりがついた頃には、トンベリ数十体とトンベリキングがいる状態になっていた。
実は予想していなかった事態である。そもそもバッツがトンベリを呼ぶなど予想していなかったからだ。気づいていたのはスコールだけで、彼は混乱を悪化させるためにトンベリキングを呼ぶ作戦だと思っていたのだ。
明かりがついて驚いたジタンとラグナは、飛び交うランタンを見て青ざめた。本気でとんずらしなければ、死ぬ。

「おー、ランタンすげー」
「バッツ、なんでトンベリなんか呼んでんだ!!」
「え?ああ、森で仲良くなったトンベリがいてさ。たぶんそれだな」
「クソ、死ぬ気で逃げないとな。
今だ、と、とんずら!!」

スコールがラグナを引っ張りジタンたちと共に抜け出すのを、カインはビルの上から眺めている。
まさか、ミニマムで侵入することになるとは思わなかった。しかも、ブレーカーとやらを落とす役割になるとは。
スコールからブレーカーというものを聞いて、ミニマムのまま電気を落とすというナイスな仕事ではあったが、何度か踏み潰されかけた。
ジタンたちの無事を確認出来たカインも、抜け出すために窓から飛び降りた。
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